ラジドラ台本ワンライチャレンジby花屋敷 第84作目

おはこんばんにちは! 放送班・制作班・広報班所属文学部3回生の木村英です。

今日は部内行事、クリコンがありました!そしてこれは同時に、現3回生部員の引退式でもあります。式は楽しいものなのですが、その分時間が一瞬に感じられました。後輩たちにここまで丁寧に送ってもらえるような先輩じゃなかったので、大変申し訳ない気持ちにもなりましたが、やっぱり嬉しくはなっちゃうものですね。


さて。今週の「ラジドラ台本ワンライチャレンジby花屋敷」のお時間です。84です。なんだか整えられたオレンジ色の感じで綺麗だなと思います。以下テンプレ。

このコラムは”花屋敷”というペンネームを使っている私、木村英が1時間でがんばってラジドラ台本書くぜ!というものです。より詳細な説明は第1作目で無駄に長く書いているので、気になる方はそちらを確認していただけると幸いです。

またチャレンジするにあたり、縛りをつけています。

名前メーカー様:ここで「名字の珍しさ:やや珍しい」と「名前のオプション:全ての名前」を指定して出てきたお名前を、登場人物の1人として出します。

②お題ガチャ様『ひとこと台詞ガチャ』:ガチャ結果で出た台詞を途中で必ず使います。

今回は①名前:河瀬紡麦(かわせつむぎ)、②全部捨てちゃえば?です。お名前は柔らかく、言葉はそこはかとない圧がクールですね。以下に載せる台本は1時間で制作したものです。誤字脱字誤用等あるかもしれませんが、お許しを。よ~い、スタート!


人物設定(執筆後作成)

  • 河瀬紡麦(かわせつむぎ):とある俳優のオタク。一応小劇場で芝居をやってたときから追っているが、推し始めてすぐに人気になったため、なんだか微妙な気持ちでいる。
  • 姉(かわせつむぎのあね):妹がなんでそんなに騒ぐのかわからないが、楽しいなら良いと思ってるし、楽しくないならやめればいいと思っている。

紡麦「え。え〜〜〜!!??」

姉「紡麦、なに、うるさいんだけど」
紡麦「え、え……なん……え?」
姉「推しが尊いとかなんだとか意味わからないこと言って急に叫び出す癖、ほんとに直した方がいいよ」
紡麦「そんな…………どうして……」
姉「一人暮らし始まったら、お隣さんからぜったい注意受けるよ、それ」
紡麦「お姉ちゃん〜!」
姉「わっ!? 急に抱きついてこないで!」
紡麦「お姉ちゃん、どうしよう、どうしよう……ってか、え、ほんと?」
姉「ちょっと何。いつもよりウザいけど、なんかあったの?」
紡麦「……いや、待って」
姉「なに」
紡麦「嘘かもしれない。そうだ、まだ可能性はある。だって週刊誌だよ? でっち上げの可能性だっておおいにあるじゃん、そうじゃん!」
姉「週刊誌? でっちあげ……なるほどね。熱愛報道?」
紡麦「まだ決まったわけじゃないから!」
姉「ふ〜ん? でも火のないところに煙は立たずとも言うしね〜」
紡麦「だってあんなに『ファンのことが一番好き!』って言ってたんだよ? 今更普通に恋愛できるわけない」
姉「なにげに酷いこと言ってんね……。そんなこと、言うは易し行うは難しだよ。ましてやアイドルなんて」
紡麦「ぜったいしてない! そうだよ、ここでファンが動揺してたらダメだ」
姉「えーっと、紡麦の推しって名前なんだっけ、なんとかゴウ、だったよね」
紡麦「黒口轟!」
姉「あぁそうそう。くろ、ぐち、ごう……あ、サジェストに『熱愛』ってある」
紡麦「まだわかんないの!」
姉「写真もあがってる。拡散されまくってんね〜」
紡麦「写真なんて今どき捏造し放題だもん。本当はたくさんいたのに、まるで2人きりみたいに切り取ってるときだってあるんだから」
姉「まぁそれもそうか」
紡麦「そうでしょ!?」
姉「お、こっちは日付も場所も違う写真らしい。しかも……あっ、腰に手回しちゃってる」
紡麦「えっ」
姉「これでも熱愛してないのかな〜」
紡麦「……本人の口から聞くまでは、信じないもん」
姉「それもそうだね」
紡麦「……きっと、違うよね?」
姉「うーん、まぁそれは、私にもわからないよね。ましてやこの人のファンでもないし」
紡麦「うん……」
姉「でも私も、嘘だったらいいなぁとは思ってるよ。紡麦がかわいそうだし」
紡麦「お姉ちゃん……」
姉「それと同時に、本当だったときのことも考えておくべきだと私は思うよ」
紡麦「え?」
姉「もしすっぱ抜かれた写真が本物で、本人も熱愛を認めたら、紡麦はどうする?」
紡麦「え……?」
姉「どんな気持ちになるかな」
紡麦「どんな気持ち……」
姉「うん。ちょっとリアルに考えてみて」
紡麦「……わかんないよ」
姉「……ま、そうね。じゃあ、怒るかな」
紡麦「怒る……怒ることは、しないと、思う。だって、私はあくまでファンだから。推しの人生のこと、口出しする権利なんてない……」
姉「そうかな? 紡麦は『ファンのことが一番好き』って言葉を信じて応援し続けてたんでしょ? それに背いたのはあっちだよ」
紡麦「それは……」
姉「信じたのが自分であっても、信じさせたのはあっちだよ」
紡麦「……でも……」
姉「じゃあ、怒るかどうかはいいとして、グッズとかはどうする?」
紡麦「え?」
姉「一人暮らしにそれ、持っていくの? 自分のことを裏切ったかもしれないひとの写真を?」
紡麦「そ、そんな言い方しなくてもよくない?」
姉「全部捨てちゃえば?
紡麦「え」
姉「一人暮らしの部屋に持っていかなくて実家に置いておいたとしたら、家に帰ってくるたび憂鬱にならない?」
紡麦「そ、それは……」
姉「ほら、よく考えてみて。あなたの人生なんだよ」
紡麦「……。そ、そんなに」
姉「……紡麦?」
紡麦「そんなに言わなくたっていいじゃん! まだ熱愛って決まってないし、決まったとしてもすぐに嫌いになるわけじゃない!」
姉「本当に?」
紡麦「本当! だって!」
姉「うん」
紡麦「私、本当に応援してたもん! 今でも推しのこと、大好きだもん!」
姉「……うん、はい。いつも通りの紡麦に戻ったね」
紡麦「えっ?」
姉「はーいしょぼくれた顔しない。信じたいものを信じればいいんだから、胸を張りなさい」
紡麦「な、え、どういうこと?」
姉「また紡麦がうるさい声出してると思ったら、珍しく泣きそうなんだもん。私はよくわかんないけど、推しを推すってハッピーなことなんでしょ? じゃあ笑ってなさいよ」
紡麦「お、お姉ちゃん……」
姉「熱愛だなんだって言って、推すのをやめてもいいし推し続けてもいいけど、紡麦が悲しい思いをするのは嫌だからね」
紡麦「お姉ちゃん……!」
姉「っていうか、引っ越し準備、進んでんの? ……グッズがめちゃくちゃ広がってるようですけど」
紡麦「こ、これは! えっと厳選してて!」
姉「はいはい、そろそろ現実見て準備しなよ〜」
紡麦「わかってるし! ってあれ、通知、え、轟くんが!」
姉「あ、これ、もしかして」
紡麦「……轟くん、やっぱ、やっぱり、かっ……こい〜〜〜!!」


チャレンジ成功ということにしておきましょう。

最近は誰もが何かのオタクをしているような時代なのかなと思ってはいるんですが、好きなものが違うと、“よそ”になって、どうしてか理解しあえない存在になるのがなんだか不思議ですね。でもオタクの熱量は理解できずとも、それほど好きなんだという気持ちを持っていることそれ自体は、できれば理解してくれると嬉しいなと思うわけです。

なんの話でしょう。姉妹のお話です。

それでは本日はこのへんで。もしこういう話を読んでみたいとか、もう少し説明してとか、いろいろお話したいこと、聞きたいことがありましたら、コメント欄に書いてくださったらうれしいです!

ちなみに私はもうしばらくコラムとかラジオとか投稿する予定だよ〜。


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