ラジドラ台本ワンライチャレンジby花屋敷 第30作目

おはこんばんにちは! 放送班・制作班・広報班所属文学部2回生の木村英です。

ここ最近、教習所通いのため早くに起きています。強制健康的生活です。でもたいして早寝にもなっていないので、単純に睡眠時間が短くなっています。最近こんなことしか書いてないですね。


さて。今週の「ラジドラ台本ワンライチャレンジby花屋敷」のお時間です。30はなんだか余裕があっておおらかな感じがします。以下テンプレ。

このコラムは”花屋敷”というペンネームを使っている私、木村英が1時間でがんばってラジドラ台本書くぜ!というものです。より詳細な説明は第1作目で無駄に長く書いているので、気になる方はそちらを確認していただけると幸いです。

またチャレンジするにあたり、縛りをつけています。

キャラデザお題ガチャ様:登場人物のうち1人をガチャで出た性格・設定にします。

②お題ガチャ様『ひとこと台詞ガチャ』:ガチャ結果で出た台詞を途中で必ず使います。

今回は①性格・設定=ロマンチスト・探偵、②「私、死んでもいいわ」です。充分にロマンチックでございますよこれは。探偵が野暮ですけども、残り2つの要素が充分にロマンチックですわ。以下に載せる台本は1時間で制作したものです。誤字脱字誤用等あるかもしれませんが、お許しを。よ~い、スタート!


人物設定(執筆後作成)

  • 刹那坂(せつなざか):ロマンチストな探偵。名探偵、皆集めて「さて」と言い、を地で行くタイプの探偵。
  • 現代塚(あらよづか):犯人候補の1人。1人と言いながらこの人しか登場しないので、当然この人が犯人なのである。
  • 月映貴女(つきばえあなた):永久の眠りについた人。

刹那坂「さてみなさん、お集まりいただきありがとうございます。今回の事件、すべての謎が解けましたのでご報告いたします」
現代塚「とうとうですか、刹那坂さん」
刹那坂「ええ。みなさん、――犯人はこの中にいます。残念なことに」
現代塚「……刹那坂さん、それはみんな知ってるんですよ。今知りたいのは、それが誰かってことなんです」
刹那坂「あまり急かさないで。死んだ人はもう戻ってこないのだから、急いだってなんの意味もありません。そう、紅茶でも飲むような、そんなゆとりをもって聞いてください」
現代塚「お茶会ではないんです。そんなものを開催する気も起きません。だって……、この中に殺人犯がいるんですよ」
刹那坂「その殺人犯だって今では逃げも隠れもできないわけです」
現代塚「そういう問題じゃないんだ! お前……人の心がないのか!?」
刹那坂「まさか」
現代塚「なっ、じゃあ!」
刹那坂「むしろ人の心があるからこそ、私はもう落ち着いた気持ちでいるのです」
現代塚「……なんなんだ」
刹那坂「説明しましょう。まずは事実の確認をしてから。被害者は月映貴女さん。この館の所有者で、彼女の自室の寝台で首を絞められた上で毒を飲んで亡くなったことが今朝発見されました。毒を飲むだけなら自殺の線もありえますが、おそらく毒を飲んだのは首を絞められて気絶した後だと考えられます。気絶するほど気道をつぶすことは自分1人ではできませんので、他殺でしょう」
現代塚「それに貴女さんには自殺をする理由がない。彼女は温厚な女性で、今回私たちをこの館に招待してくれたのも、そもそも彼女だった」
刹那坂「もちろんそれだけで自殺ではないと否定することはできませんけどね。そして私は、彼女の死そのものは、自殺のためであるとここに断言しましょう」
現代塚「なに?」
刹那坂「彼女は温厚な人でありました。日々を楽しく生きる、好奇心旺盛な女性です。それでも、昨晩、貴女さんには自殺をする理由があったのです。いえ、正確に言うならば、自殺する理由が、できたのです」
現代塚「……なんなんだ、その理由って」
刹那坂「貴女さんは、プロポーズを受けたのです」
現代塚「……は?」
刹那坂「昨日の夜、みなさんのなかで最も紳士な男性が、彼女に一世一代の愛の誓いを述べたのです。そして彼女はそれを受け入れました。永久に眠る彼女の左手薬指には、ダイアモンドの指輪がありました。それは新品でした。すなわち、彼女が前の夫にもらったそれではないのです」
現代塚「……その言いぶり、まるでプロポーズしたやつが貴女さんを殺したかのようだが」
刹那坂「いいえ、そんな意図はありません。彼女はあくまで自殺をしました。ですが、罪を負うべき人間はこの中にいるのです。それは、自殺幇助の罪によってです」
現代塚「プロポーズした相手を死に至らせるようなことするわけないだろ!」
刹那坂「……貴女さんは、夏目漱石を嫌い、二葉亭四迷を好んでいました。彼女は読書家であるわけでもありません。ただただ一点においてのみ彼女はそう評価していました」
現代塚「は? いきなりなんだ」
刹那坂「『私、死んでもいいわ』」
現代塚「……なんだ」
刹那坂「貴女さんは、プロポーズを受けて、その言葉で返事をしました。さらに、彼女は相手の真剣な言葉に胸打たれ、自らの喜びをしっかり表現するために、その言葉を実践したのです」
現代塚「『死んでもいいわ』を? そんなわけあるか!」
刹那坂「ありますよ」
現代塚「なんでそんなことが言える! そもそも、そこに至るまでの説明も、なんの証拠があるって言うんだ」
刹那坂「貴女さんは、温厚で、好奇心旺盛で、そしてなにより、ロマンチストです。ここにいるすべての人が分かっていることだと思いますが」
現代塚「それが何に繋がるっていうんだ」
刹那坂「昨晩は、とっても綺麗な月の夜でしたね」
現代塚「……お前の推理にはついていけないな」
刹那坂「『月が綺麗ですね』と言われ、『死んでもいいわ』と返した彼女は、自らの言葉を体現しました。それは、相手が夏目漱石に心酔していたからです」
現代塚「……」
刹那坂「彼女の行動を止めず、さらに彼女が望んだ気絶するまでの首締めを行ったことは、それらが直接死に至らせずとも、彼女の自殺をすすめたことには違いがありません。……そうですよね、現代塚さん」
現代塚「……知らない、すぐに命をかけるような愚かな女だとは知らなかったんだ」
刹那坂「愛して、プロポーズまでした女性の、そんなところだけでも受け入れられない人を、紳士などと呼びたくないんですが、そうでないとあなたは自白しないでしょう」
現代塚「……これ以上勝手なことは言われたくない。貴女さんを殺したのは、私で間違いないよ」


チャレンジ成功とはまぁ言い難いですよね……失敗です……。

意味の分からなすぎる話になりました。設定を練る時間があまりに足りない。いつも言ってる。そろそろそういうのが必要になるトンチキ設定のものを書くべきではないと私は痛感するべき。

特殊な探偵ものを書きたかったんです。作品タイトルが「ロマンチスト探偵」みたいなのになるような、被害者あるいは加害者が必ずロマンチストであるような、そういう特殊なやつが書きたかったんです……。でも推理ものを考えるなんて、そう簡単にはできないですよね。

ただ、今回名前を変なのにできたことには、ちょっと満足しています。被害者の女性の名前をふつうあるようなものにするのはあまりよくないだろうなと思い、「貴女(あなた)」さんという名前を考えたのですが、結構いい名前だなぁと思っています。

それでは本日はこのへんで。もしこういう話を読んでみたいとか、もう少し説明してとか、いろいろお話したいこと、聞きたいことがありましたら、コメント欄に書いてくださったらうれしいです!

意外と忙しい夏休みを過ごしております。皆様はいかがお過ごしですか?


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