ラジドラ台本ワンライチャレンジby花屋敷 第26作目

おはこんばんにちは! 放送班・制作班・広報班所属文学部2回生の木村英です。

夏休みの予定がけっこう詰まってきてて、嬉しい限りです。バイトも増やせそうで嬉しいです。がんばってお金を貯めるのです。


さて。ものすごく薄い話は置いておいて。今週の「ラジドラ台本ワンライチャレンジby花屋敷」のお時間です。第26作目。26ってなんだか見慣れない数字ですね。以下テンプレ。

このコラムは”花屋敷”というペンネームを使っている私、木村英が1時間でがんばってラジドラ台本書くぜ!というものです。より詳細な説明は第1作目で無駄に長く書いているので、気になる方はそちらを確認していただけると幸いです。

またチャレンジするにあたり、縛りをつけています。

キャラデザお題ガチャ様:登場人物のうち1人をガチャで出た性格・設定にします。

②お題ガチャ様『ひとこと台詞ガチャ』:ガチャ結果で出た台詞を途中で必ず使います。

今回は①性格・設定=おどおど・不死身、②「安全の保証はありません」です。不死身!どういうふうに使おうか悩む設定ですね。以下に載せる台本は1時間で制作したものです。誤字脱字誤用等あるかもしれませんが、お許しを。よ~い、スタート!


人物設定(執筆後作成)

  • 少年→青年(しょうねん→せいねん):昔はおどおどしていた少年だったが、素直で聡明な青年に育った。酷いことをしてくる父親から守ってくれた母親のことが好きで大事。
  • 魔女(まじょ):魔女。不死身で何年生きているかもうわからないが、あるとき同じく不死身の男に恋をしてしまった。だがこの男は自分の不死身性を嫌っていた。それでも恋心を捨てられなかった彼女は、自分が不死身の魔女であることを隠して男に迫る。無事結ばれるものちにバレ、夫の記憶を消し、また屋敷の侍女に母親役を頼んで自分は山奥に隠れるようになった。

少年「……おねえさん、だれ……?」
魔女「あたしは魔女だよ、坊や」
少年「まじょ……? まじょって、なに……?」
魔女「そうだねェ、魔法を使うひとのことだよ」
少年「まほう……? まほうって、なんでもできるよね?」
魔女「何でも……何でもでは、ないがねェ」
少年「ねぇおねえさん、おねがいがあるの。まほうつかってよ」
魔女「おや坊や。魔法をお望みかい? 安くないよ」
少年「おかね? おかねがいるの?」
魔女「お金なんかじゃあ足りないなァ」
少年「なにがいるの? どうしたらまほうつかってくれる?」
魔女「そんなに魔法の力がほしいのかい、坊や」
少年「ほしい」
魔女「……どうして?」
少年「かあさまがね、あのひのなかにいるの。かあさまのてをひっぱっておそとにはしってたのに、とちゅうでてがはなれちゃったの。かあさまが、きっとまだなかにいるの」
魔女「……そォうかい。坊やは母様を助けたいのかい?」
少年「うん」
魔女「ほォ。……つかぬことを聞くが、坊や。父様は?」
少年「とうさま? とうさまなら……」
魔女「あァ」
少年「ひのなかにいるよ」
魔女「……父様は、助けなくていいのかい?」
少年「いいよ。でもかあさまはたすけたいの。ねぇおねえさん。まほうつかいのおねえさん。かあさまをたすけてよ、おねがいします」
魔女「魔法使いではないがねェ……。まァ、いいよ、坊や。対価は手に入りそうだから、坊やの願いを聞き入れてやろう」
少年「っ! ほんと?」
魔女「あァ、本当だとも。ほら坊や、おまえさんはもう少し遠くに行ってな。ここにも直に火が回ってくる、安全の保証はしてやんないよ
少年「でもかあさまが、」
魔女「坊やの元に送り届けてあげるさ。麓まで行ってなさい」
少年「……おねえさん」
魔女「なんだい」
少年「ぜったい、かあさまをたすけてね」
魔女「――フ、対価をもらえるならば、絶対に叶えてやるよ」

(時が経って)
(ドアを叩く音)
魔女「……ん、どちらさん?」
青年「……こんにちは」
魔女「おや……どっかで見た顔だねェ、坊や。こんな山奥に何か用かい」
青年「僕、昔貴女に助けられました」
魔女「昔? さて何年前の話だろうねェ」
青年「僕の母が、先日亡くなりました。母の遺書に、ここへ行くよう書いてありました」
魔女「ほう。どうして?」
青年「……僕の本当の母親は、貴女だと、書いてありました」
魔女「……ほォ。あたしの息子なのかい、おまえさんは」
青年「僕のこと、思い出せませんか?」
魔女「……、そうねェ、屋敷に火がついて、その中から母親と一緒に逃げようとしたができなくて、父親の命と引き換えに母親を助けてくれと乞うてきたちいさな子なら、いたかもなァ」
青年「やっぱり、あのときの魔法使いさんですよね。……まったく、変わってない、」
魔女「……魔法使いじゃなくて、魔女だがね。まァ、そうか、あいつ死んだのか……。最期は、病気?」
青年「老衰です」
魔女「そりゃあいい。幸せそうだったかい?」
青年「母を悲しい気持ちにさせたつもりはありません」
魔女「父親の代わりに?」
青年「父親を見捨てたからこそ」
魔女「……あの父親は、やはりくだらない男だったか」
青年「僕の産みの親は、母様ではないのですか?」
魔女「どっちでもいいだろう、坊や。坊やが望む方でいい」
青年「……じゃあ、僕が不死身なのは、貴女のせいですか」
魔女「……。いつ、気づいたんだい?」
青年「母様の遺書に」
魔女「……どういう意図なんだろうなァ。おまえさんが自分で気づく前に教えようということか?」
青年「でも、僕も心当たりがあるんです。あのとき、火事の中で生き残ったのは僕だけでした。母は……、確実に死んでいた」
魔女「なら坊や。おまえさんの父親は、あの火事の中で生きていたと思う?」
青年「……さっき、『父親の命と引き換えに』って言いましたよね。じゃあ、もしかして僕と同じ?」
魔女「命の対価は命しかないからなァ。さて、坊や。そんなところにいないで、中に入っておいで。どうせ、もう行く宛てもないのだろう」
青年「……どうして知って、」
魔女「不死身だと気づいたおまえさんが、ふつうの人間とともに生活を送ることなんてできないだろう。母の遺書を読んで、ひととおり絶望してから、ここへ来たのだろう」
青年「……貴女のせい?」
魔女「あたしも、あのくだらない男も、どちらのせいでもあるだろうなァ」
青年「母様に全部押しつけたんですか?」
魔女「……この話をしようとするとなァ。あたしが被害者面してると思われそうで、あまり言いたかないんだがなァ」
青年「もしかして、父親のせい?」
魔女「……坊やは聡い子に育てられたんだね」
青年「迫害されたのは、貴女?」
魔女「死んだやつに罪を押しつけるのもばつが悪い。今の坊やが聞きたいのは、不死身をなくす方法だろう」
青年「えっ」
魔女「おまえさんがふつうの子に育ったことが、なによりの僥倖だよ、あたしにとっては。だから坊やが望むならば、不死身を剥ぐ方法を試してやってもいい」
青年「ちょ、ちょっと話が早いです」
魔女「ん? そうかい。まァ、ゆっくり咀嚼して、考えるといいだろう」
青年「え、でも、あんまり長い間居ても、ご迷惑じゃ」
魔女「いいさね。――どォせ、お互い不死身同士さ。時間は腐るほどある。おまえさんを畏れる誰をも捨て置いて生き続けるんだから、気にしなさんな」


ギリギリチャレンジ成功……かな?

終わり方に尻切れトンボ感が否めないですが、まぁまぁまぁ、いいでしょう。と、自分を甘やかしておきます。

珍しく?落ち着いた感じの物語になりました。現パロっぽくもしていない、わりと純粋ファンタジーです。もうちょっといろいろ設定考えていたんですが、時間内に綺麗に落とし込むのに苦労したので書けませんでした。ちょっと楽しかったです。

それでは本日はこのへんで。もしこういう話を読んでみたいとか、もう少し説明してとか、いろいろお話したいこと、聞きたいことがありましたら、コメント欄に書いてくださったらうれしいです!

夏休みは、個人的にですが、短いものもちょっと長めなものも書いていこうと思っています。


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