ラジドラ台本ワンライチャレンジby花屋敷 番外編3

おはこんばんにちは! 放送班・制作班・広報班所属文学部2回生の木村英です。

いつもなんかしんどい話しかここでしていない気がするので、もっとこう楽しいお話をしたいなぁと思うんですが、今日も今日とてたいした話ができません。

あ、ラジオドラマ投稿しました!!!! → Radio Drama 告白にうってつけの日
私は脚本制作とディレクションとほんのちょっとの編集を行いました。声がめちゃいいのはもちろん、演技がめっちゃうまいので是非少しだけでも聴いてくださるととても喜びます。

遼役の鈴木くんは、一文字の台詞でも感情をちゃんと表現できててすごいです。
絢斗役の桐村さんは、深いお声の響きが心地よくて、思わず手癖で口の悪い台詞を書いちゃったんですが、書いて良かったと思います。
凜子役の根木さんは、大人っぽさやすっきりとした綺麗さがありつつ、いじらしさもあってめっちゃかわいいです。

聴いて後悔はしないと思います。

そして午後にも収録があるからといってこちらの収録も手伝わせることになってしまった南くん、素早く丁寧な音声のノイズ削除をしてくださった三好さん、甘すぎず可愛らしくぬくもりがあって見てて飽きないイラストを描いてくれた仙田くん、ありがとうございました!この場を借りて感謝いたします。


と、いうことで。今週の「ラジドラ台本ワンライチャレンジby花屋敷」のお時間ですけれど、本日は番外編です。ラジオドラマを投稿したのでね。

このコラムは”花屋敷”というペンネームを使っている私、木村英が1時間でがんばってラジドラ台本書くぜ!というものです。より詳細な説明は第1作目で無駄に長く書いているので、気になる方はそちらを確認していただけると幸いです。

またいつもはチャレンジするにあたり、縛りをつけています。
ですが、今回はバレンタインに合わせて作ったラジオドラマの台本を公開したく存じます。

8分くらいの尺のまぁまぁ綺麗に収まった気がするお話です。バレンタインなんでラブコメです。バレンタインなんで。


人物設定

『告白にうってつけの日』

  • 遼(りょう):バスケ部の男の子。一瞬恋心持たれるけど、次第に友達の方がいいなと思われるタイプ。演者のおかげでかわいらしいところがチラ見えする男の子になった。
  • 絢斗(あやと):生徒会役員の男の子。笑って毒を吐き出すようになったら仲良くなった証。
  • 凜子(りこ):バスケ部マネージャーの女の子。密かに好かれることが多いけど、遼のことが好きだってモロバレのため、「なんで遼なんかに……」って思われている。

(朝休み)
遼「なぁ絢斗」
絢斗「うん? あ、おはよう遼」
遼「おはよ。今日ってバレンタインだよな?」
絢斗「知ってたんだ。そうだよ、心なしかみんなもそわそわしてるよね」
遼「お前、チョコもらったか?」
絢斗「もらったよ」
遼「……誰に?」
絢斗「え、委員長でしょー、神田さんでしょー、松本さんにももらったね」
遼「全員に配ってるやつらじゃん」
絢斗「そうだね。ありがたいものさ」
遼「……、凜子、からは?」
絢斗「凜子ちゃんからはもらってないね。ていうかまだ来てないんじゃない?」
遼「来てる」
絢斗「……」(沈黙)
遼「……なんだよ」
絢斗「いや……遼って健気だよなぁと思って」
遼「うるさい」
絢斗「おはようとか言ったの?」
遼「遠かったから言ってない」
絢斗「近づきなよそこは~。どこで見たのさ」
遼「玄関。入ってくの見た」
絢斗「ちょっと急いで靴箱行ったら、挨拶ぐらいはできるでしょ」
遼「……ほかのやつと喋ってたから」(気まずそうに)
絢斗「へたれだねぇ」
遼「うるせぇ!」
絢斗「でも凜子ちゃんが先に玄関にいたのに、遼の方が先に教室来たんだね。どっか寄ってるのかなぁ」
遼「……チョコ、渡しに行ってんのかな」
絢斗「見に行く?」
遼「行かない」
絢斗「……ふふ、多分ね、結城さんが一組のやつに渡したいらしいから、それに付き添ってるんじゃない? あそこ仲良かったでしょう」
遼「……たしかに、玄関で一緒にいたな」
絢斗「うん、だから安心しなよ~」
遼「……うるさい、さんきゅ」
絢斗「ははっ、かわいいねぇ」
遼「かわいくねぇ!」
絢斗「あはは、ってちょっと、暴力反対!」
遼「じゃあ黙れ」(ちょい照れ)
絢斗「わかったわかった、もうからかわないから。……あ、凜子ちゃん」
遼「え」
凜子「おはよう絢斗! あ、遼も」
遼「オレはついでかよ」
凜子「おはよう」(圧かけて)
遼「……はよ」
凜子「うん!」(嬉しそうに)
絢斗「凜子ちゃん、もうチョコ誰かに渡した?」
遼「絢斗!?」
凜子「え、あー、さっき渡したよ」
遼「え」
凜子「え?」
絢斗「誰にとか聞いていい?」
凜子「そんなに気になる? あ、告白とかじゃないからね?」
遼「あぁ……」(安心しきった声)
絢斗「ふっ!」(堪えきれなくて吹き出す)
凜子「どうしたの」(怪訝そうに)
絢斗「ふふっ、ごめんね、気にしないで」
凜子「バスケ部のメンバーに渡しただけだよ、マネージャーだし」
絢斗「なるほどね」
遼「……オレもバスケ部なんですけど」
凜子「え?」
遼「オレもバスケ部なんですけど! ……オレには、くれねぇの」
凜子「え。……あ、あーうん、あとでちゃんと渡すから、ほら、焦るなって~!」
遼「焦ってねぇよ!」
絢斗「うそだうそだ」
遼「お前は黙ってろ!」
凜子「じゃ、じゃあ、私、えっと予習するから!」
遼「予習? いつもしてないだろお前」
凜子「きょ、今日はするの!」
遼「は? 変なやつ」
絢斗「……かわいいねぇ」
遼「あ?」
絢斗「遼のことじゃないよ」
遼「だからだよ」
絢斗「……あーもうはいはい、わかったわかった」
(昼休み終わり頃)
遼「なぁ絢斗」
絢斗「うん?」
遼「……『あとで』っていつだと思う?」
絢斗「うーん、昼休みもう終わるから、放課後かなぁ」
遼「部活?」
絢斗「かなぁ」
遼「……それだったら、他のやつらと変わらねぇじゃん」
絢斗「そうかもねぇ。凜子ちゃんに直接欲しいって言ったら?」
遼「あからさますぎだろ」
絢斗「あのね、言わせてもらいますけどね。待ってるだけのおまえはちょっとだせぇよ?」(雰囲気変えて、真面目に)
遼「……うるさい」
絢斗「自分から行動しなよ」
遼「うん……」(弱りきってる)
凜子「あれ。遼、絢斗にいじめられてんの?」
遼「っ、凜子!?」
凜子「わっ、そんなびっくりしなくても」
遼「あ……悪い」
絢斗「ちょっと凜子ちゃん、いじめられてるってなにさ」
凜子「なんか遼が落ち込んでる感じだから」
絢斗「いじめてなんかないよ」
遼「……いじめてるようなもんだろ」
絢斗「おまえ親友のありがたい助言をいじめと見るの?」
遼「いや……」(立場が弱い)
凜子「かわいそう。遼、絢斗に口で勝てないもんね」
遼「慰めろよ」
絢斗「ざまぁ」(笑)
遼「てめぇ」
凜子「……あ、じゃ、じゃあ、遼」
遼「ん?」
凜子「その、元気出るもの、あげる!」
遼「は?」(なにもわからない)
絢斗「お?」(チョコか?って察してる)
凜子「はい! チョコ! へ、変なタイミングだけど、これで元気出してね! じゃあね!」
遼「え」
絢斗「おお。勢いでいったね。……遼、もらえたじゃん」
遼「……これ、チョコ?」
絢斗「チョコだってさ」
遼「正直嬉しい……でもなんかついでみたいだったよなぁ……!」
絢斗「……さぁねぇ」(本命って気づいてないじゃんって呆れ)
(部活後)
絢斗「あ、出てきた。部活おつかれ」
遼「絢斗も生徒会おつかれ」
絢斗「凜子ちゃんのチョコ食べたの?」
遼「まだだけど」
絢斗「開けた?」
遼「まだ」
絢斗「開けてみなよ」
遼「……なんで」(不思議そうに)
絢斗「じゃあむしろ聞くけど、遼はなにが入ってると思う? それ」
遼「はぁ? ……チョコじゃねぇの」
絢斗「どんな」
遼「どんな……?」(マジでわからない)
絢斗「イメージがまったく浮かばないおまえは俺と一緒に見た方がいいと思うよ、はい開ける」
遼「なんだよ……なんか、ラッピング凝ってるから、家で開けようと思ってたのに」
絢斗「カバン持っててやるから」
遼「そんなにかよ。……ここ、抜けばいいのか? あ、取れた。……これ、カップケーキ?」
絢斗「既製品じゃないよ」
遼「……手作り!?」
絢斗「せいかーい。ちなみにこれは耳寄り情報だけど、凜子ちゃんにチョコもらった他のバスケ部のやつらは、チョコ菓子の詰め合わせだったんだって~」
遼「は……、え?」
絢斗「遼。ここまでしてもらって、まだ待ってるだけでいんの?」
遼「っ、明日、」

遼「明日、告白する!」

 

凜子「絢斗、遼ってチョコ好きか知ってる?」
絢斗「凜子ちゃんからもらうものならなんでも喜ぶと思うよ」
凜子「な、なんの話!?」
絢斗「バレンタインの話じゃないの?」
凜子「ち、ちが……わなくないけどぉ!」
絢斗「やっぱりね。なんでも喜ぶと思うけど、一口チョコ見て『ちっちぇえ』って呟いてるのは見たことあるよ」
凜子「大きいの食べたいってこと……? ふふ、食い意地張ってるなぁ」
絢斗「……かわいいねぇ」
凜子「え、遼が?」
絢斗「冗談でもやめて」
凜子「びっくりしたぁ」
絢斗「俺がびっくりだよ。……うまくいくといいね」
凜子「まず伝わるか微妙だけどね!」(笑)
絢斗「あー……伝わらなかったら俺がけしかけとくよ」
凜子「あはは! 恥ずかしいからいいよ、ありがとう」


と、いうような台本でした! 収録現場で台詞変えたところもあるので、ラジオドラマ完成品とはやや台詞変わっているところもあります。

さて、ここからは種明かし的な、そういうもしかしたらちょっと興ざめするようなお話なんですけども。タイトルのお話です。

『告白にうってつけの日』がいつなのか、気づいていただけたでしょうか。

バレンタインは、チョコを渡すのにうってつけの日。

チョコに秘めた想いにこたえるのは、いつ?

バレンタイン当日?もらったチョコをそのまま持って帰ってしまいそうな子には難しいです。
ホワイトデー?それじゃあ遅いでしょう。もうすでに付き合っているならまだしも。
そう、想いに気づいた、その想いを本気で応えたいと思った、翌日です。

そういうお話でした。

ちなみに最後の絢斗と凜子の会話は前日譚です。ちゃんと伝わるようにできてましたかね……?

それでは本日はこのへんで。もしこういう話を読んでみたいとか、もう少し説明してとか、いろいろお話したいこと、聞きたいことがありましたら、コメント欄に書いてくださったらうれしいです!

4学期も、もうすぐ春季集中も終わって、春休みがとうとうやってきますね!


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