ラジドラ台本ワンライチャレンジby花屋敷 舞台編

おはこんばんにちは! 放送班・制作班・広報班所属文学部2回生の木村英です。

週末の用事がところどころ入っています。夏休み前か入った頃かに、「予定が詰まってきてて嬉しいです」みたいなことを書いた気がするのですが、今回もこんなふうにさも特筆すべきことのように書いています。私にとってはそれぐらいのことなんです……。油断してるとすぐに空虚な時間を過ごしちゃう人なので、カレンダーが充実していくのは喜ばしいことです。


さて。今週の「ラジドラ台本ワンライチャレンジby花屋敷」のお時間です。本日は……おや?舞台編となってますね。ということは、「以下テンプレ」とはいかないんですねぇ。

このコラムは、本来は”花屋敷”というペンネームを使っている私、木村英が1時間でがんばってラジドラ台本書くぜ!というものです。より詳細な説明は第1作目で無駄に長く書いているので、気になる方はそちらを確認していただけると幸いです。

またいつもであれば、チャレンジするにあたり、縛りをつけています。

しかし、今回は異なります。「舞台編」とは、すなわち、

アクタースワップ』ラジオドラマパートの台本公開でございます!!

皆様、先日10月12日(水)にOHB公式YouTube上に投稿いたしました、ラジオ『アクタースワップ第1回公演』は、ご覧いただけましたでしょうか。またのかたはぜひ、お気軽にご来場くださいませ!

今回はこのラジオの中で読んでいたラジオドラマの台本を投稿いたします。皆様も演じてみてはいかが?どちらのほうがご自身には向いていると思われるのでしょうか。

それではさっそく、どうぞ!


人物設定

  • 虹子(こうこ):推しに弱いオタク女子。一点集中型オタク。推してる作品に関しては声優や制作陣の◯witterをはじめとするSNSはもちろんメディアミックスまで手を伸ばす。
  • 香月(かづき):麗しの男装レイヤー女子。カバー範囲大きめオタク。人気作品はとりあえず全部見るし、マイナー作品もビジュアルが気に入ったら見る。べつに男キャラばかりコスプレするわけじゃないが、自分が好きになったキャラクターのコスプレをしたいオタクなので男キャラが多くなった。

(♪都会の駅前の喧噪→音量下げて→「わわ」のあとで消す)
虹子「ふ、噴水、ってどこ……? わかりやすいって月夜(つきよ)さん言ってたのに……あっ、あの人に訊こう! って、ひゃあイケメンさんだ……緊張しちゃうけど……でも訊かないと! あ、あの!」(ひとり言は小さく)
香月「はい?」(素)
虹子「あの、ここ、噴水があるって聞いたんですけど、見つからなくて。どこにあるかご存知ですか?」
香月「! もしかして、待ち合わせですか?」
虹子「あ、そうなんです! お兄さん知ってます?」
香月「え、お兄さん? ……あぁ、ふふ、そういうこと」
虹子「え? なんか言いました?」
香月「あぁいや、――ここ、ちょっとうるさいですよね。こっち来て」(ここから低く)
虹子「わわ」
香月「引っ張ってごめんね? ここならまだ静かだと思う。それで、噴水の場所ですよね。僕、案内しましょうか?」
虹子「えっ。それは、さすがに……。お兄さんも待ち合わせ中じゃないんですか?」
香月「僕は大丈夫」
虹子「で、でも……」
香月「あ、もしかして、ナンパだと思ってます? お姉さんかわいいからしたいところだけど……、純粋に、道案内したいなって。僕の待ち人はまだ来ないみたいだから、時間空いちゃったしさ」
虹子「な、ナンパだとはまさか思ってないですけど!」
香月「じゃあ名前、自己紹介しましょ。僕は香月(かづき)。お姉さんは?」
虹子「え、あ、私は虹子(こうこ)です」
香月「虹子ちゃんね。ふふ、せっかく出会ったんだし、ちょっとの間だけだけど、よろしく」
虹子「……本当にいいんですか?」
香月「もちろん! それで、……ね、僕たち同世代っぽいしタメ口で話してもいい?」
虹子「あ、いいですよ」
香月「ありがとう。ね、虹子ちゃんも、そうしよ?」
虹子「い、いいの?」
香月「当たり前だよ! 堅苦しいのはいやだしさ」
虹子「か、香月くん、あの、よろしくね」
香月「うん!」
(♪2人分の足音→短めFO)
香月「虹子ちゃん、今日はなんの待ち合わせだったの?」
虹子「オフ会、なんだけど、香月くん、オフ会って知ってる?」
香月「知ってるよ、オンライン上で知り合った友達とリアルで会う、っていう感じだよね」
虹子「合ってる! 香月くん、オフ会知ってるんだ……」
香月「ふふ、僕のことどういうふうに見えてるの?」
虹子「イケメンさんだから、オタク用語とは無縁かな~って」
香月「イケメンさん? それ僕のこと? 嬉しいなぁ。でも僕もちょっとは知ってるんだよ」
虹子「そうなんだ……実は香月くん、ちょっと推しに似てるなぁと思ってて」
香月「推し? ……虹子ちゃんのバッグについてる、そのアクキーの人?」
虹子「あ、そうなの! 知ってる? 『堅物法律事務所の顧客リスト』っていうアニメのキャラなんだけど」
香月「あ、それって最近二期してたよね? 途中からだろうから分からないかもと思いながら見てたんだけど、面白くて二期は全部見ちゃったよ。そういえばよく見たら、そのキャラも知ってるかも」
虹子「ほんと!? 香月くんの雰囲気この人に似てない?」
香月「自分じゃ分かんないなぁ。でも今日この格好で来てよかったな」
虹子「……香月くん、言うこともかっこいいね……。実はね、今日のオフ会も『堅物法律事務所の顧客リスト』繋がりで知り合った人となの」
香月「へぇ、そういう人って、SNSで知り合うの?」
虹子「そう! なんとその人、女性なんだけどね、私の推しのコスプレをしてるの!」
香月「え、男性キャラなのに?」
虹子「男性キャラなのに! すごいかっこいいんだよ~。ずっと憧れてて、見て推してるだけだったんだけど、思わずリプ送っちゃったんだ」
香月「それから意気投合した、みたいな感じ? すごい行動力だね」
虹子「えへへ……、その人も、とってもいい人で、年齢も近いって言ってたから、今日会えるの楽しみにしてたんだ」
香月「ふふ、伝わってくるよ」
虹子「香月くんも待ち合わせだったんだよね?」
香月「うん、そうだよ。ね、虹子ちゃん。よかったら、『堅物法律事務所の顧客リスト』の話してくれない? 一期の話聞きたい」
虹子「えっ、でもネタバレだよ?」
香月「僕ネタバレ歓迎なタイプ。虹子ちゃん的にはダメ?」
虹子「私は相手が気にしないなら言っちゃうタイプ。だからいいんだけど……むしろいいの?」
香月「あははっ、いいよ。思う存分語って?」
虹子「でも私話長いから、その前に噴水着いたりしない?」
香月「あー、まぁのんびり歩きながら聞かせてほしいな」
虹子「それはそれで待ち合わせに間に合うか、時間が心配……」
香月「大丈夫、待ち合わせのお相手には僕からごめんなさい言うから。ね?」
虹子「う、……じゃあ、ちょっとだけね?」
香月「やった!」
(間)
虹子「それでね、一期第三話で、主人公のお兄さんが『お前もそのときが来たら、この魔方陣の意味がわかる』って言ってて、この台詞一期の間は意味が分からなかったんだけど、二期の第十話になってようやくこの伏線が回収されたの!」(早口)
香月「そうだったんだ。二期だけ見た僕にはあんまりよく分からなかったんだよね……」
虹子「たしかにあそこの流れはちょっと不親切ではあった。一期見てた勢も最初気づいてない人多かったんだよ」
香月「え、そんなちっちゃい伏線だったんだね。でもそれ気づいた人には嬉しい展開だね」
虹子「あ、……わかってくれる?」
香月「あ、伏線に気づいてた人だ」
虹子「ふっふっふ……まぁちょっとね、ファンなんでね。……って、はっ! 待って、え、今何時? え、もう三十分経ってる!? 待ち合わせ時間過ぎてる!」
香月「わっびっくりした。虹子ちゃん、落ち着いて」
虹子「いやいやごめん香月くん、急いで噴水に連れてってくれる?」
香月「ここだよ」
虹子「ていうかここってよく見たら香月くんと最初会った場所じゃ……って、え?」
香月「噴水。ここだよ」
虹子「え、でも、ここ、噴水なかった……」
香月「後ろ見てみて。……最初僕がいたとこの後ろに柱あったでしょ? あれ、実は三時になったら水が出て噴水になるんだ。変な構造でしょ?」
虹子「……ほんとだ……。……え、待って、じゃあ、そこで待ち合わせしてた香月くんって」
香月「あ、気づいた? ……幸子(さちこ)さん」
虹子「!?」
香月「はは、やっぱり幸子さんなんだ。三時以降じゃないと噴水出ないから、三時に着くように来てねって言ってたのに……来るの早すぎ」
虹子「もしかして、月夜さん……!?」
香月「うん。――改めて、初めまして。SNSでは月夜って名前で活動しています」(素に戻して)
虹子「ほ、本当に月夜さんってことは……、え、香月くん、お、女の子……?」
香月「幸子さん……せっかく自己紹介したし本名の方がいいか。虹子ちゃんが、最初に『お兄さん』って私のこと呼ぶから、ちょっとイタズラしたくなっちゃった。でも今日は、虹子ちゃんの推しの雰囲気に合わせて男装したつもりだったから……そこは気づいてもらえてよかった」
虹子「……頭が追いつかない……」
香月「ね、虹子ちゃん。改めてオフ会、ってことで、もっとお話したいから、カフェにでも行かない?」
虹子「……香月、ちゃん、ってこと……?」
香月「あれ、まだ放心してる? おーい、虹子ちゃーん?」
虹子「……そして、推しコスプレイヤーさんの月夜さんが、香月ちゃん……?」
香月「あっそうだ。……虹子ちゃん、そろそろ、戻っておいで?」
虹子「うっ! 顔がいい……」
香月「ね?」
虹子「くっ、しかもあざとい……」
香月「ほらオフ会デート、再開しよ?」
虹子「で、デート……こんなに推しそっくりの推しとデートってやばい……」
香月「ほらほら虹子ちゃん、戻っておいで!」
虹子「は、はい!」
香月「今から楽しませるからね!」
虹子「え、もう楽しいよ?」
香月「さっきよりもっとってこと!」


……と、こんな感じの台本でございました。

ちなみにこれはさすがに1時間で書いたものではありません(笑)。タイトル詐欺になってしまっていて申し訳ないです。1時間程度で書いてそのあと手直しするっていう書き方がよさそうだなぁと心から思った執筆時間でした。

ラジオで言いそびれた裏話をここで2つほど。

1つ目。台本を書いていたときに、「こうこ」では「虹子」に一発変換ができなかったのでずっと「にじこ」って打って変換してたら(今思えば置換機能を使えば良かったと思っています。どうして使わなかったのか我ながら謎です)、いざラジオ収録するぞ!ってときに、何回か「にじこ」と呼びそうになって危うかったです。

2つ目。「幸子(さちこ)」は虹子ちゃんのSNSでの活動名です。そして「月夜(つきよ)」は香月くんちゃんの活動名です。幸子さんは、やわらかくてハッピーな名前がいいと思って考えて「ゆきこ」にするか「さちこ」にするか悩んでいたんですが、「さちこ」にすると決めてから、これ「こうこ」とも読めるじゃん……!ちょうどいいじゃん!ってなりました。そのことをパーソナリティの相方に話したら「そのつもりでつけたんじゃなかったの……?」とたいそう不思議がられました。台本制作中は不思議なことばかりが起きます。

それでは本日はこのへんで。もしこういう話を読んでみたいとか、もう少し説明してとか、いろいろお話したいこと、聞きたいことがありましたら、コメント欄に書いてくださったらうれしいです!

最後になりましたが、『アクタースワップ第1回公演』をご覧になった皆様、お忙しい中、足を運んでくださり、誠にありがとうございました。本公演では、概要欄にご感想フォームを準備しております。お時間ありましたら、ぜひそちらのご記入のご協力を、何卒よろしくお願いいたします。

それでは、また来週。


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