ラジドラ台本ワンライチャレンジby花屋敷 第71作目

おはこんばんにちは! 放送班・制作班・広報班所属文学部3回生の木村英です。

幼馴染みと遊びに行くのですが、前日になってもなんにも決まっておりません。どこに遊びに行くとか、ごはん食べるのとか、そもそも何時から遊ぶとか。この幼馴染みたちとは高校で分かれてから遊びに行くのが3回目になるのですが、1回目しかちゃんと予定を立てたことがないかもしれません。……と思って改めて考え直したら、1回目も電車の降りる場所だけ決めて、あとは適当だったような気もします。しゃべるだけで楽しいっていうものです。

(実は ↑ のお話は先週のお話です。先週はNコンの制作に追われ、落としてしまったので……)


さて。今週の「ラジドラ台本ワンライチャレンジby花屋敷」のお時間です。71。大和撫子感を感じる数字です。でもたぶんちょっと癖がある。以下テンプレ。

このコラムは”花屋敷”というペンネームを使っている私、木村英が1時間でがんばってラジドラ台本書くぜ!というものです。より詳細な説明は第1作目で無駄に長く書いているので、気になる方はそちらを確認していただけると幸いです。

またチャレンジするにあたり、縛りをつけています。

名前メーカー様:ここで「名字の珍しさ:やや珍しい」と「名前のオプション:全ての名前」を指定して出てきたお名前を、登場人物の1人として出します。

②お題ガチャ様『ひとこと台詞ガチャ』:ガチャ結果で出た台詞を途中で必ず使います。

今回は①名前:小滝 秋波(こたき しゅうは)、②「愛って醜いよねぇ」です。「秋波を送る」という言葉があるのを先日初めて知りました。タイムリー。以下に載せる台本は1時間で制作したものです。誤字脱字誤用等あるかもしれませんが、お許しを。よ~い、スタート!


人物設定(執筆後作成)

  • 小滝秋波(こたきしゅうは):無自覚で人を惹きつけてしまう。元々は真面目くんだったが、あまりにもかっちりしすぎると自分の言葉に力が入りすぎるため、あえてチャラついた風に見せることで、できる限り軽くしようとしている。
  • 古森玖朗(こもりくろう):酔ったら愛を語り出すこと以外は大変頼りになる秋波の同僚。
  • 林(はやし):初めて飲み会の幹事を任されてド緊張してるのに、プラスで怖い女たちに詰められて泣きそうになってる。
  • 浪(なみ):怖い女。自分にとって大事なのは、とにかく”良い男”と呼ばれる男を手に入れることだけ。周りが見えない。

玖朗「シュウ、今週末空いてるか?」
秋波「土日のことなら空いてないよ~お買い物と美容院に行くから」
玖朗「金曜の夜なんだが」
秋波「あ、それってもしかして呑みの誘い?」
玖朗「ん」
秋波「え~どうしよっかな」
玖朗「どうしてもお前に来てほしいんだとよ」
秋波「はは、誰が言ってたのさ」
玖朗「事務の浪さん」
秋波「……嫌になってきたなぁ」
玖朗「オレは知らねぇ。お前がちゃんとしてないのが悪いんじゃないか?」
秋波「相変わらず玖朗は僕に容赦なさすぎじゃない? 僕はちゃんと断ってるんですけど」
玖朗「それが不誠実だったんだろう」
秋波「え~? 僕から気があるように見せたことはないはずなんだけどな」
玖朗「……まぁ、同情はするが」
秋波「玖朗くんやさし~」
玖朗「だが、もうそんな自分を受け入れると言ってなかったか? 自分が相手の気を惹きやすいってわかってるのだから、人より丁寧に断る必要があるのは知ってるだろう」
秋波「ちょ、ちょっと、一気に詰めてこないでよ。さっき慰めてくれる感じ出してたじゃん」
玖朗「同情はするし、欲しいなら慰めてやってもいいが、それだけでは現状は変化しないからな」
秋波「まったくもってその通りなんだけども」
玖朗「で? 飲み会、参加するのか? しないのか?」
秋波「え~……? なに、玖朗もしかして幹事なの」
玖朗「いや、幹事からお前に参加するよう言ってくれって言われてる」
秋波「僕断れないじゃん」
玖朗「ちなみに幹事は林だ」
秋波「なおさら断れないじゃん! ちょっと浪さん、新人の林くんに圧かけてるってことなの?」
玖朗「そうなるな」
秋波「かわいそすぎるし申し訳なさすぎる……林くんのために行くしかないかな……」
玖朗「とにかく、シュウは参加するってこといいな? 暇なんだろ?」
秋波「んん~嫌だけど! とっても面倒くさい感じしかしなくて嫌だけど! 林くんに迷惑はかけたくないし……絶対二次会には行かないから」
玖朗「あぁ、それなんだが」
秋波「はっ? なに」
玖朗「二次会まで出て欲しいそうだ」
秋波「……なんで?」
玖朗「一次会は営業部でしか呑まないから。同日開催する事務が流れ込んでくるのは二次会以降らしい」
秋波「うざすぎ~!」
玖朗「そんな大声出すな、聞こえるだろ」
秋波「むしろ聞こえて欲しいまであるよ。直接言うのはトゲがあるけど、聞こえてくる分には許されるでしょ」
玖朗「陰口みたいなことするのな」
秋波「玖朗が辛辣~」
玖朗「……そんなに面倒なら、先に解決しとけばいいじゃないか」
秋波「え?」
玖朗「原因はわかってるんだし、早期に解決しておけばいい。なにも金曜の夜を待たなくたっていいだろう」
秋波「いや……いや、ダメでしょ。僕から終わらせるよう働きかけるってことは、僕がなにかアクション起こさないといけないでしょ? そんなことしたら勘違いさせちゃう」
玖朗「そうか……じゃあオレが誘おうか?」
秋波「一緒一緒、なにも変わらないって。僕は常に受け身でいなきゃいけないのよ」
玖朗「もうお前が面倒くさいな」
秋波「ひどい……」
玖朗「ならば、もう解決方法は1つだけだな。林に言ってくる」
秋波「うわぁん、嫌だよ……」
玖朗「覚悟を決めろ」
秋波「ちゃんと断ってるのに……」
玖朗「……さ、時間だ。仕事再開するぞ」
秋波「なんか休めた気がしないんですけど」
玖朗「気にしても仕方がないことだってあるぞ」
秋波「このあとの仕事でミスしたくないなぁ。テンション下がったまま戻ってこれなくなりそ」
玖朗「データ打ち込み?」
秋波「ううん。これからアポ取りばっかり」
玖朗「じゃあシュウなら大丈夫だろ」
秋波「み~んな色よい返事してくれますように」

林「小滝さん! 本当にありがとうございます……!」
秋波「あぁいいよいいよ、そんな悲壮な顔しないで」
林「小滝さんが事務の方々を避けまくってたことは知ってるんですが、どうしても今回は断れなくて……」
秋波「事務のなぜか口回る女性たちにはまだ勝てないでしょう」
林「古森さんがめちゃくちゃに事務の方に圧かけてくださってたんですけど、事務の皆さん全然諦めてくれなかったんです」
秋波「事務に圧?」
林「えぇ、何度言っても日程被せてきてたんです。ほんとに、僕もできる限り情報を隠そうとしてたのに、毎回毎回どこかしらから漏れるんです」
秋波「あぁもう泣きそうな顔しないで、うちにも女性はいるからね。そこらへんが繋がってるんでしょ……本当におつかれさま。幹事の仕事を必要以上に大変なものにしちゃってごめんね」
林「いやっ、小滝さんにはとっても良くしてもらっているので!」
秋波「ありがとう」
玖朗「シュウ、お前せめて奥に座ってれば?」
秋波「えぇ? そんな上座嫌なんだけど」
玖朗「こっちがお開きになってなくても見に来るかもしれないぞ」
秋波「……僕、ほんとにこんなに迷惑かけるつもりないのに」
玖朗「それは課長も部長も分かってくださってるから。日頃の行いを良くしといてよかったな」
秋波「このためじゃない~」
玖朗「最初のうちはあっちも乗り込んでこないだろうから、楽しんどけよ」
秋波「はぁ……帰りたいな……」

玖朗「だからだな、あれこれ全部口にだすのは良くないとオレは考えるんだ。何度も言って価値の上がる言葉はそうそうないだろう。オレたちは大事な言葉を言うのには回数の上限があるんだ」
林「そう、っすよね~! ……小滝さん、これあとどれくらい続きます!?」
秋波「うん? なにが……あぁ、玖朗の愛のお説教ね。もうちょっとあるよ、今全4部構成の2部目の最後って感じ」
林「まだ2部終わったところなんですか!? まだまだじゃないですか!」
玖朗「愛とは美しい。だがそれゆえに儚い。間違ったのが1つだけであってもすぐに壊れてしまう、繊細なガラス細工のようなものだ」
秋波「ガラス細工だって」
林「これが3部目ってことですか……?」
秋波「ねぇ林、愛って醜いよねぇ、綺麗じゃないよねぇ?」
林「えっ……!? あっ、もしかして小滝さんも酔ってます?」
玖朗「はいそこ、何か反論があるなら挙手をして発言しろ」
秋波「あは、見つかった。なんでもないで~す」
玖朗「なら黙って聞いてろ。いいか、綺麗じゃなきゃ愛じゃないんだ」
秋波「絡んでくるの怖すぎるよね」
林「ほんとに怖いので小滝さんも静かに聞いててください!」
秋波「はは!」
浪「あのぉ」
林「わっ!?」
玖朗「ん?」
秋波「……はやぁ」
浪「営業ってもうお開きになりましたぁ?」
林「あっ、浪さん……ま、まだです!」
浪「え、長くないですか? こっちもう解散しちゃいましたよぉ」
林「あ、あ、そうなんですね~」
浪「……あ、小滝さん」
秋波「……」
林「あ、ちょっと!」
浪「小滝さん、今空いてませんか?」
秋波「う~ん、空いてないかな」
浪「嘘。そのグラス、飲み干してからけっこう時間経ってるんじゃないですか? もう呑む気起きないなら……二人で、呑み直しませんか?」
秋波「う~ん……」
玖朗「おい、そこ。私語を慎め」
浪「は?」
秋波「……お」
玖朗「いいか、愛とは美しくなければ愛じゃないんだ。醜いならそれはもはや愛ではない。憎しみでもない、無関心だ」
浪「な、なに?」
秋波「……はは、営業部名物、玖朗のありがたい愛のお説教聞いていきなよ。僕が喋るよりよほど良いこと言うから」
浪「……小滝さん、暇してるんじゃないんですか?」
秋波「してないよ。聞くのに集中してるからね」
浪「どうして、……どうして私をそんなに邪険にするんですか!」
秋波「えぇ? そうだなぁ……。……はは、美しくないから?」


う~~ん、お話自体はそこそこ内容詰められた気がするんですが、終わらなかったのでチャレンジ失敗です。

今回はわりとしたいことができた気がします。オチというか、回収したいことはギリギリ回収できたので、まぁまだよかったかなぁと。秋波と玖朗のやりとりを書くのがとても楽しかったです。あと久しぶりにしっかり話す登場人物を増やせたので、それも嬉しかったですね。

私のお気に入りは秋波の「うん? なにが……あぁ、玖朗の愛のお説教ね」のところです。お酒が入ってて微妙に反応遅れてる感じを出せてたらいいなぁと願ってます。浪さんが来て、どんどん醒めていく様子も書きたかったですね。1時間の壁です。

それでは本日はこのへんで。もしこういう話を読んでみたいとか、もう少し説明してとか、いろいろお話したいこと、聞きたいことがありましたら、コメント欄に書いてくださったらうれしいです!

8月、相変わらず師走並みに過ぎゆくスピードが速かったですが、充実することはできた気がします。皆さまはいかがでしたか?


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