ラジドラ台本ワンライチャレンジby花屋敷 第62作目

おはこんばんにちは! 放送班・制作班・広報班所属文学部3回生の木村英です。

本日は父の日。みなさま何かなさいましたか?私は昨日ですが、岡山のお土産を父に買って渡しました。自分の分も買おうかと思ったんですが、手持ちが足りませんでした。そんなことある?

父の日、あと母の日もしっかり返せたのが今年がほぼ初めてだったので、ちゃんとできるようにしようと思っている次第でございます。大学生になってまだ反抗期はちょっとイタいよぼく……。


さて。今週の「ラジドラ台本ワンライチャレンジby花屋敷」のお時間です。62作目です。62は水色のコロンとしたものの感じ。かわいらしいけど涼しげです。以下テンプレ。

このコラムは”花屋敷”というペンネームを使っている私、木村英が1時間でがんばってラジドラ台本書くぜ!というものです。より詳細な説明は第1作目で無駄に長く書いているので、気になる方はそちらを確認していただけると幸いです。

またチャレンジするにあたり、縛りをつけています。

名前メーカー様:ここで「名字の珍しさ:やや珍しい」と「名前のオプション:全ての名前」を指定して出てきたお名前を、登場人物の1人として出します。

②お題ガチャ様『ひとこと台詞ガチャ』:ガチャ結果で出た台詞を途中で必ず使います。

今回は①名前:各務茉樹(かがみまつき)、②「いい加減諦めろ」です。自分だったら思いつかないようなお名前が出てくるとちょっと嬉しくなります。以下に載せる台本は1時間で制作したものです。誤字脱字誤用等あるかもしれませんが、お許しを。よ~い、スタート!


人物設定(執筆後作成)

  • 各務茉樹(かがみまつき):偉い人にお仕えしている女性。先輩同僚後輩誰からも完璧超人に見られるタイプ。本人もそうあれるように努力を怠らない。なお名前は登場しない。
  • 理(おさむ):各務に仕えられている偉い人。かなり細かいところまで見てくるため、それなりの精神力を持つひとじゃないとお世話ができない。
  • 水杉(みすぎ):各務の後輩、理にお仕えしている。各務の隙のなさには日々驚嘆するばかりだが、無理してないか心配になってきている。

理「各務」
各務「なんでしょう、理様」
理「お前、俺のこと嫌いなんだろ」
各務「突然どうされましたか?」
理「俺のこと、馬鹿にしながら仕事してるんだろ」
各務「まさかそんなこと。何を見てそう思われたんですか?」
理「そのカップの位置、いつもはもう3cmこっちに置いてるはずだ。室温はいつもより0.4℃低い。ノックをする時間も6秒遅かった」
各務「ほう……普段からよく見てくださってるのですね、とても光栄にございます」
理「俺のこと、嫌になったのか」
各務「言い分はこれまで亭主関白を貫き通してきた主人の発言そのものですけども、まさか、理様のことを嫌がるわけがないじゃないですか」
理「じゃあその違いはなんだ! 気づかないとでも思っているのか!」
各務「いえそんな……いえ、理様の仰るとおり、カップの位置は理様より3cm遠く、室温は0.4℃低く、ノックする時間は6秒遅かったですね。申し訳ございません」
理「ふん、素直に謝罪できるならば良い」
各務「ありがとうございます」
理「何かあったのか?」
各務「いえ……私の不注意でございます」
理「それは本当に不注意で済む話なのか? 言っておくがノックする時間が遅かったのは今朝からずっとだし、声の大きさも5db小さい。自覚しているならば構わないと思って放置していたが、いっこうに改善する様子が見られないので指摘するがな」
各務「……申し訳ございません。申し開きのしようもありません」
理「良い。俺は気づけぬことを気づかなかったことについて責める気は毛頭無い。ただ自覚したからにはなにかしらの改善策を見せてほしいものだな」
各務「今一度、己の振る舞いを見つめ直します。理様、ティータイムのご用意が済みましたら、ほんの少し部屋に下がる時間を頂いてもよろしいでしょうか?」
理「良いだろう。ほんの少しと言わず、たっぷり見つめ直し、反省するがよい」
各務「ありがとうございます。かしこまりました。それでは、こちら本日のケーキは白桃のケーキでございます」
理「うむ、桃も好きだ。いつもありがとう」
各務「それはよろしゅうございました。それでは、しばし下がらせていただきます。何かありましたら遠慮無くお申し付けくださいませ。理様のお仕事の時間が始まる頃までには必ず戻って参ります」
理「ふん、そんなに急がなくていい。ゆっくりしろ」
各務「は……私の代わりに水杉を部屋の外に付けておきます。私の不在中にご用命の際は、水杉にお願いいたします」
理「わかったわかった」
各務「それでは、理様の御言葉に甘えさせていただきます。失礼いたします」
理「うむ。やっと下がったか。……うん、今日もうまい。紅茶も良い香りだ」

理「……さて。水杉」
水杉「はい、理様」
理「入ってきてくれ」
水杉「失礼いたします、理様」
理「各務はちゃんと自分の部屋に戻ったのか?」
水杉「戻っていきました。自室に入っていくところをしかと見ました」
理「ならば良い。あいつは気づいているのか?」
水杉「気づいては……いるはずです。少なくとも、自分の動きが鈍いことは少なからず気づいていたようです」
理「その原因には?」
水杉「それは……正直微妙なところでございます、理様。各務は……自らのこととなると、とんとお馬鹿になるので……」
理「全くもってその通りだな」
水杉「理様がこれまでご病気にかかったことがないことも、理由の1つではあると思います」
理「む? 病気した方が良かったか?」
水杉「まさか! ずっとそのまま健康でいてくださいませ。理様のご体調が悪くなられましたら、もちろん我々は理様が快復するまであの手この手を使って看病いたしますが、元気なお姿を見るまでは心配で心配で、何も手に付かなくなってしまいます」
理「そこまでか? それはちょっと貧弱すぎないか? 態勢が」
水杉「そうは申しましても。それだけ我々は理様のことが大事なのでございます」
理「それは伝わっている、安心したまえ。……それで? 俺が健康優良児であることと、各務のこととどんな関係があるというのだ」
水杉「はい……彼女は体調が悪い状態のことを知らないのです。見たことがないので」
理「……ほう?」
水杉「知識としてはもちろん備わっております。主人が病気にかかったとき、一番に看病しますのは我々ですので。ですが百聞は一見にしかず。見たことがなければ体験したこともない。少々各務は、そちらの面に関しては、理解が薄い一面を時々見かけます」
理「なるほどな……それならば、今回こそ、きちんと知らしめないといけないな」
水杉「私どもからもお願い申し上げます。各務は……各務さんは、もっと、自分を大事にした方がいいです」
理「ふっ、後輩が悲しんでるぞと伝えておこう」
水杉「怒ってるぞでもいいですよ」
理「そうだな、そうしておこう」
(♪コンコンコン)
理「なんだ」
各務「理様。各務でございます。ただいま戻りました」
理「は?」
水杉「は?」
理「あいつ、言わないとわからないか……、入れ!」
各務「失礼いたします。戻りました。遅くなり申し訳ございません」
水杉「は?」
理「水杉、静かにキレるのはやめろ。下がっていいぞ」
水杉「理様」
理「あぁ、わかっている。ちゃんと叱りつけておこう」
水杉「お願いいたします。失礼いたします。……各務さん、失礼いたします」
各務「えぇ、急に呼んで悪かったですね」
水杉「いえ、こんなときじゃないと、助けさせてくれませんもの」
各務「いつも頼りにしていますよ?」
水杉「そんな話をしているのではないんです。理様に怒られてください」
各務「え?」
水杉「理様、失礼いたします」
理「うむ」
各務「……理様、私が下がっている間に、私が何かしましたでしょうか?」
理「理解できてもいないのに訊くのはやめろ、変なことを質問しているのがわかっていないのか」
各務「ティーセットに不手際が何かありましたでしょうか……」
理「なかったよ、いつもありがとう」
各務「いえ……私の最低限の仕事ですので、そんなことは当然」
理「ところで、休んできたのか?」
各務「はい、今朝からの反省点をまとめておりました。自分の中で整理がついたので戻って参りました」
理「……休んだのか?」
各務「? はい。本来であれば理様のおそばにて待機しなくてはいけませんのに、離れてしまい申し訳ございません」
理「それは休んでないだろ!」
各務「どうして休むことに拘られているのですか……? 私は休む理由など、」
理「いい加減諦めろ
各務「……理様?」
理「はぁ、本当に気づいてないのだな、ここまで来れば強がりではないのだろうとさすがにわかるな」
各務「ど、どういうことでございましょう」
理「各務、お前は俺のことが嫌いなのか?」
各務「ありえません。私が一生お仕えすると決めた主でございます」
理「なら、その俺が気にかけているお前の身体のことも、大事にしろ。……体調、崩してるんだろ。熱はないのか、測ってないなら測れ」
各務「ね、つ……?」
理「ここのところ人の出入りが激しかったからな、落ち着いた今になって身体に不調が出ても何も恥じることはない。とにかく体温を測ってわかりやすい数字が出でもしたら諦めがつくだろ」
各務「な、なにを……健康です!」
理「額を合わせて熱を測ってやろうか?」
各務「へっ!?」
理「嫌なら体温計を持ってこい……いや、水杉に持ってこさせよう、水杉!」
水杉「失礼いたします。すでにこちらに」
各務「理様!?」
理「測って、熱が出てたら寝ろ、これは命令だ」
水杉「ちゃんと測ってくださいね、各務さん。少しでも浮かせたり誤魔化したりすることなど我々も許しませんよ」
各務「ちょ、ちょっとっ」
理「風邪を引いたら休む、誰にでもわかることだろう、各務」
各務「か、風邪など!」
理「各務、風邪じゃなくても、お前は確実に体調を崩している。強がりなのかなんなのか、普通にしているから自分から言い出すまで待っていたがな、下がらせても休まないのであれば、主の責任として無理矢理にでもお前を休ませなければならない」
各務「そんな、大丈夫です」
理「お前は俺にうつしたいのか?」
各務「そんなこと!」
理「ならば休め。……各務。お前のこれまでの仕事ぶりはしかとみている。先ほどもそれがわかるように伝えたつもりだったんだが。いいから休んでくれ、また万全になったお前の忠誠を待っている」
各務「理様……。……はい、あの、……すみません、下がらせていただきます」
理「やっと自覚したか。身体がぐったりしてきただろう。そうなると、俺の方こそ知っているのにな。療養に努めろ」
各務「ありがとうございます、理様」
理「あぁ、ゆっくりお休み」


まぁまぁ綺麗に収められたんじゃないでしょうか!チャレンジ成功です。

はじめ、「俺のことが嫌いなんだろ」っていう台詞が思いついて、関係性はともかくかわいい後輩男子を持ってきてなんか書けないかと思ってたんですが、相手の女性との関係性がなぜかすぐに主従になっていましたね。それでもなおコメディ感強めの、坊ちゃんが何かしらが原因で冷静沈着な完璧メイドさんに突っかかって、だけど軽くあしらわれるっていうかわいらしいお話を書こうとしてたんですが……そうなりませんでしたね。なんでなんでしょう。

そういう話も書いてみたくはあります。いつか挑戦しましょう。

それでは本日は短いですが、このへんで。もしこういう話を読んでみたいとか、もう少し説明してとか、いろいろお話したいこと、聞きたいことがありましたら、コメント欄に書いてくださったらうれしいです!

梅雨はあけたんか?と思ったけど、まだちょっと雨の降る日がありそう……?


バックナンバーはこちら → 第1作目 / 第2作目 / 第3作目 / 第4作目 / 第5作目 / 第6作目 / 第7作目 / 第8作目 / 第9作目 / 第10作目 / 第11作目 / 第12作目 / 第13作目 / 第14作目 / 第15作目 / 第16作目 / 第17作目 / 第18作目 / 第19作目 / 第20作目 / 番外編 / 第21作目 / 第22作目 / 第23作目 / 第24作目 / 第25作目 / 第26作目 / 第27作目 / 第28作目 / 第29作目 / 第30作目 / 第31作目 / 第32作目 / 第33作目 / 第34作目 / 舞台編 / 番外編2 / 第35作目 / 第36作目 / 第37作目 / 第38作目 / 第39作目 / 第40作目 / 第41作目 / 第42作目 / 第43作目 / 第44作目 / 第45作目 / 第46作目 / 第47作目 / 番外編3 / 第48作目 / 第49作目 / 第50作目 / 第51作目 / 第52作目 / 第53作目 / 第54作目 / 舞台編2 / 第55作目 / 第56作目 / 第57作目 / 第58作目 / 第59作目 / 第60作目 / 第61作目

(こちらの方がわかりやすければ → 投稿一覧


NEXT → 第63作目