ラジドラ台本ワンライチャレンジby花屋敷 第60作目

おはこんばんにちは! 放送班・制作班・広報班所属文学部3回生の木村英です。

テスト期間が近づいておりますね。私においては1・2学期続きの授業だとありがたいことに1学期末にはなにも課さないことがあるので、まだ楽なのかもしれません。

そういえば、この世には課題がないことに不安がる人種もいるようで……。去年まではこの時期にレポート提出を求めなかった講義で、今年からはレポート課題が出されるようになってしまったものがあります。いーじゃん……楽してこうぜ……。


さて。今週の「ラジドラ台本ワンライチャレンジby花屋敷」のお時間です。60に入りました!60は淡い紫色のイメージ。たぶん紫陽花のイメージですね。以下テンプレ。

このコラムは”花屋敷”というペンネームを使っている私、木村英が1時間でがんばってラジドラ台本書くぜ!というものです。より詳細な説明は第1作目で無駄に長く書いているので、気になる方はそちらを確認していただけると幸いです。

またチャレンジするにあたり、縛りをつけています。

名前メーカー様:ここで「名字の珍しさ:やや珍しい」と「名前のオプション:全ての名前」を指定して出てきたお名前を、登場人物の1人として出します。

②お題ガチャ様『ひとこと台詞ガチャ』:ガチャ結果で出た台詞を途中で必ず使います。

今回は①名前:長原真生(ながはらみき)、②「全部嘘だって言ったら、怒る?」です。これで「みき」って読ませるんだ……。以下に載せる台本は1時間で制作したものです。誤字脱字誤用等あるかもしれませんが、お許しを。よ~い、スタート!


人物設定(執筆後作成)

  • 長原真生(ながはらみき):自分の名前が初見殺しになってるのが好き。ただ「まお」でも「まい」でも「まき」でも「まな」でも自分が呼ばれたとわかれば何も気にせず返事する。
  • 佐藤みのり(さとうみのり):自分の名前の読みやすさは全先生に感謝されてもいいレベルだと思っている。人の名前を覚えるのが得意。

みのり「ながはらー……、ま、お?」
真生「お。私の名前かい? 当ててみな」
みのり「まおじゃないのか。うーん、まい!」
真生「違う」
みのり「まき!」
真生「違うね」
みのり「まな?」
真生「ちがーう」
みのり「えぇ? むずかしいね」
真生「むずかしいと思うよ。1文字目が違うからね」
みのり「うそー! 「ま」じゃないの?」
真生「「ま」じゃない」
みのり「どれか近いのあった?」
真生「あったよ。まき、が近い」
みのり「じゃあこの生きるの漢字の読み方は「き」だ。そうだね?」
真生「そうだよ」
みのり「2文字なのはあってる?」
真生「合ってる」
みのり「真、って「ま」以外に読み方ある?」
真生「さぁね」
みのり「2文字の名前で2文字目が「き」でしょ? あき、さき、まき、……あとは、みき?」
真生「お、正解」
みのり「えっ、みき?」
真生「はぁい、そうだよ」
みのり「……真って漢字は使いたかったけど、「ま」は嫌い?」
真生「ふふっ、そうかもね」
みのり「それか「み」って読む漢字全部嫌だったのかなぁ」
真生「我が親ながらわからないよね」
みのり「ちょっと不思議だね」
真生「うん。ところで、あなたは?」
みのり「あ、私? じゃあせっかくだし私の名前も当ててよ!」
真生「お、いいよ」
みのり「名前書いてるやつ……、ないな。いっか、スマホのメモに打つね。……よし、はい! なんて読むでしょう!」
真生「当てられるかなぁ。……おっと……」
みのり「読めるかな? ちょっと難しいかも?」
真生「ううん……これは、逆になんかの心理戦に引き込まれてる?」
みのり「どうだろうね?」
真生「ちなみに聞くけど、「さとうみのり」ではない?」
みのり「どう思う?」
真生「……「み」も「の」も「り」もひらがななんだよね……「は」とか「へ」とかなら「わ」「え」って読むトラップあるかもしれないけど、それもないもんね」
みのり「いろんな可能性を考えてみて〜」
真生「佐藤も、まさかここで「さふじ」って読む珍しい人間がいるとは思えないし。いやでも、『いろんな可能性』ってことはあり得るのかな?」
みのり「ふふふ、難しいでしょ」
真生「……いや、私はあなたの作戦に乗らないよ。さとうみのり。佐藤みのりでしょう」
みのり「ファイナルアンサー?」
真生「ファイナルアンサー」
みのり「私の名前はさとうみのりであるか否か、判定はー……、……正解っ!」
真生「ほらね! ……ふふっ、絶対こんなに時間取ることなかったでしょ」
みのり「ふはっ、まぁね! いやー私名前間違えられたことなくてさぁ、でも私だってちょっとぐらい珍しいとか思われたいよ。佐藤なんてありふれすぎてるじゃん」
真生「たしかにねぇ」
みのり「ねねっ、真生ちゃん」
真生「なに? みのりちゃん」
みのり「もうちょっと聞きたいことあるんだけどいい?」
真生「私はいいけど、いいの? みのりちゃん、勉強しに来たんじゃないの?」
みのり「勉強なんていつでもできるからね。今あなたに会ったことを私は大事にしたいから」
真生「あらそう。じゃあ私もその考えに便乗しよ。勉強やーめた」
みのり「そうしてそうして」
真生「で、何を聞きたいのかな」
みのり「お名前のことなんだけどさ」
真生「あぁ、真生(まき)と書いてみきって読むこと? そんなに気になるかね」
みのり「気になる! 真生ちゃんにとっては自分の名前のことになるけど、気にならないの?」
真生「んー……まぁ、ね。でも私は知ってるからなぁ」
みのり「! 知ってるの!? いや、そりゃ知ってるのか、自分の名前の由来ぐらいは」
真生「みのりさんはなんなの?」
みのり「私? 私は何事においても実りありますようにって。学業も仕事も、趣味も人間関係もなーんでも」
真生「素敵ね。ひらがななのは?」
みのり「そっちの方が可愛いからだって」
真生「それはたしかに。ひらがなかわいいよね」
みのり「「みのり」じゃなくてもなんでもかわいくなるからなぁと思って聞いてたけどね。ね! それで、どうして「みき」って読むの?」
真生「……気になってるね〜」
みのり「一回気になると私、ダメなんだよね」
真生「そうみたいだね。みのりちゃんが知識豊富なのはそういう性格から来てたんだね」
みのり「え? 私のことなんか知ってる?」
真生「お名前だけだよ、知ってるのは。よく見てたからね、掲示板のランキングで」
みのり「え〜恥ずかし。あんなので知られたくないから、もっと仲良くなろ。それで?」
真生「わかったよ。……うーん、でも、あんまり人に言うような話でもないんだよねぇ」
みのり「あ。言いたくない話ならさすがにいいよ?」
真生「微妙なところだね。むしろ私はいいけど、って感じかな」
みのり「私はなんでも聞くよ! どんな話になったって、新しく知られることが嬉しい。真生ちゃんのこともっと知りたいんだ!」
真生「そっか。それならちょっと話しちゃおっかな。昔々、あるところにミキと呼ばれることになる赤ん坊がいました」
みのり「おっ、昔話形式」
真生「ミキちゃんはちっちゃい頃からたいそう可愛がられました」
みのり「赤ちゃんは誰だってかわいいよ」
真生「幼稚園でも小学校でもミキちゃんはモテモテの人気者です。先生からはいつでも『優秀な子です』と言われていました」
みのり「えーっ、写真とかないの?」
真生「両親も大事に大事にしていましたし誇らしい気持ちでいっぱいで、授業参観なんか行った日は、後方腕組み保護者面でドヤ顔してました」
みのり「まぁほんとの保護者だしね」
真生「あるとき、そんなミキちゃんに転機が訪れます」
みのり「お、なんだろ」
真生「ある日の下校時間、ミキちゃんは道路のど真ん中に子猫を見つけます」
みのり「……ん?」
真生「ミキちゃんはその子猫の向こうから、おっきなトラックが向かってきてるのを見ました。ミキちゃんは咄嗟に、『子猫を助けなきゃ!』と思いました」
みのり「えっ、それ……え?」
真生「……ところでミキちゃんには妹がいました。ミキちゃんと同じくらい大事にされていたし可愛がられたし、先生やクラスメートからの評判だってよかったです。褒め言葉の定番は、『何においても器用だね』」
みのり「……褒め言葉ではあるよ」
真生「でもやっぱり、両親にとっては、器用な子より優秀な子の方が好きだったみたいで。ミキちゃんと一緒にいたかったのです」
みのり「……もしかして今、怖い話されてる?」
真生「まぁ結末を言うと、ミキって本来は読めないはずなのに、ミキっていう名前になったってことですね」
みのり「ね、み……長原さん。今ね、私すごい気まずい」
真生「ふふっ。だから言ったのに『むしろ私はいいけど』って」
みのり「なんでそんな普通のテンションなの……もっと重い話しますって言って、警告して?」
真生「過ぎた話だからね」
みのり「過ぎてはなくない?」
真生「……ふふっ、ねぇ、みのりちゃん」
みのり「なに?」
真生「ふふっ」
みのり「え? なんでそんなに楽しそうなの。長原さんって意外と変人?」
真生「全部嘘だって言ったら、怒る?
みのり「……怒る!」
真生「あははっ!」
みのり「しかもその言葉も信じづらいし~!」
真生「私もみのりちゃんのこと、気になってたの。これから仲良くしてほしいな」
みのり「仲良くしてほしい相手につく嘘じゃないよ!」


チャレンジ……失敗です!1時間+5分で書いたので、失格です。

3点リーダーを必要最小限にするように気をつけました。つけたつもりです。真生ちゃんの嘘エピソードがあまりに重すぎたので、最後のテンション回復が間に合わなかった気がします……さしものみのりちゃんであっても難しかったようです。

間の取り方とか、緩急とか高低とか、ひとによって読み方が変わりそうな台本になったかとは思います。
淡々とした感じ好きなんですけど、それしか書いてないというのがよくないところ。

それでは本日はこのへんで。もしこういう話を読んでみたいとか、もう少し説明してとか、いろいろお話したいこと、聞きたいことがありましたら、コメント欄に書いてくださったらうれしいです!

ということで、来週はテスト期間ですのでお暇いただきます~


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