ラジドラ台本ワンライチャレンジby花屋敷 第46作目

おはこんばんにちは! 放送班・制作班・広報班所属文学部2回生の木村英です。

1月が終わろうとしていますよ奥さん。学業においてもOHB関係においても趣味においても、しなくてはいけないこととしたいことが山盛りで、キャパオーバー寸前です。なんかいつもこんなこと言ってる気がします。忙しい自慢みたいになってますね。みんな忙しいよ。


さて。今週の「ラジドラ台本ワンライチャレンジby花屋敷」のお時間です。46です。40台でいちばん淡い色がします。40代はだいたい濃いめに感じる。以下テンプレ。

このコラムは”花屋敷”というペンネームを使っている私、木村英が1時間でがんばってラジドラ台本書くぜ!というものです。より詳細な説明は第1作目で無駄に長く書いているので、気になる方はそちらを確認していただけると幸いです。

またチャレンジするにあたり、縛りをつけています。

名前メーカー様:ここで「名字の珍しさ:やや珍しい」だけを指定して出てきたお名前を、登場人物の1人として出します。

②お題ガチャ様『ひとこと台詞ガチャ』:ガチャ結果で出た台詞を途中で必ず使います。

今回は①名前:宝田鳳善(たからだほうぜん)、②「必然は偶然のふりをしてやってくるのさ」です。なんか強そうなお名前があったので選んでみました。自分ではつけないお名前ですね。以下に載せる台本は1時間で制作したものです。誤字脱字誤用等あるかもしれませんが、お許しを。よ~い、スタート!


人物設定(執筆後作成)

  • 宝田鳳善(たからだほうぜん):名前の圧が強すぎるけど、別に神社の息子でも寺の息子でもない。ほかの噂としては「呪符が書ける」「真言が言える」など。そんなことはない。
  • 仁科(にしな):ひとから悪いふうに言われてもあんまり気にしない。直接言ってくる言葉のみ受け入れる。

仁科モノローグ「宝田鳳善とは、その名前のインパクトから有名にならざるを得ない人物だが、名前以外のところでもしっかり有名であった。曰く」
モブ「宝田くんの手握るとご利益あるんだって〜。好きな人に告白する決心ついたら握らせてもらおっかな……」
モブ「寺の息子だとか神社の息子だとかで、超能力使えるんだってよ!」
モブ「──宝田って、未来が見えるんだって」
仁科モノローグ「……などなど。全員が人伝で話しているため、あくまでそれは噂の域を越えないけど」
仁科モノローグ「越えない、はずだったんだけど」
宝田「仁科くん、明日スマホ忘れないようによく確認してから家を出るんだよ。学校は大丈夫だけど、帰りに道を聞かれるからきっと無いと不便だよ」
宝田「仁科くん、今日階段踏み外すかもしれないから気をつけてね。低いところだから大怪我にはならないと思うけど」
仁科モノローグ「1回目は、無事スマホを忘れた。帰り道でなんと3人に道を尋ねられたが、ラッキーなことに全部知っている場所だったから事なきを得た。2回目は、どうしても覚えてしまっていたので、階段を降りるたびに気をつけていたけれど、いや気をつけていたから、ラスト2段のところで踏み外しかけただけだった」
仁科モノローグ「宝田の噂が噂ではないのかもしれないと、さすがに疑い始めたある日、宝田はまた俺に言った。……ある予言を」
宝田「仁科くん。その、……詳しくは言えないけど、気をつけてね」
仁科「……いや、もっと具体的に言えよ!」

仁科モノローグ「あれから2日、なんとか詳しい情報を聞き出せないかと俺は隙あらば宝田を質問責めにしている」
仁科「なぁ宝田、なんでそんなに隠すんだよ。俺のことだろ?」
宝田「本当に申し訳ないとは思っているよ。だけど話せないんだ、君のことであっても。許してくれ」
仁科「ヒント! ヒントぐらいあってもいいだろ!」
宝田「ヒントでもだめなんだよ」
仁科「なぁんで!」
宝田「仁科くん、わかってくれ。その理由を話すこともできないんだ……」
仁科「だぁー! お前本当にずっとそればっかりだな! 何時なのかとか何処でなのかとか何に気をつけるのとかどれだけの規模なのかとか! ぜーんぶ聞いてぜんぶ『答えられない』ってなんだよ!」
宝田「そんなに怒らないでおくれよ。大丈夫、話せない代わりに僕が君のそばに居続けようと言っているだろう?」
仁科「~っ! そ、れ、も、だよっ! ガチでずっと近くにいんのやめろ! トイレ一緒に入ってくるな!」
宝田「本当に気をつけなくちゃいけないんだよ」
仁科「トイレしてるときでもか!?」
宝田「そうだよ」
仁科「そっ……なのかよ、もうなんなんだよ一体……」
宝田「……なぁ。仁科くんに訊きたいことがあるんだ」
仁科「宝田はなにも答えてくれないのにぃ?」
宝田「あぁ」
仁科「……目ぇきれいすぎるだろ……いいよ、なに」
宝田「そもそもなんだが。どうして僕の言うことを信じてくれるんだい?」
仁科「信じたくはなかったよ。お前の噂聞いても、いや全部名前の印象がそう感じさせんだろって思ってたし」
宝田「噂?」
仁科「今度お前恋する女の子に手ぇ握られるかもよ、よかったな」
宝田「……え。僕に?」
仁科「ううん。お前に恋してるわけじゃない。お前の手、ご利益あるんだって」
宝田「ご利益……? ないよ」
仁科「知ってるよ。ちょっとしょんぼりしながらマジレスすんな。とにかく、お前が超能力使えるとか未来見えるとか噂聞いたことあるけど、あくまで噂だろって思ってたよ。でも、2回も予言めいたこと言われたからなぁ」
宝田「ふつうみんな信じないよ。変わってるね」
仁科「お前に言われたくはないな。信じたくはないんだってば」
宝田「……僕の手にはご利益なんてものはないけど、実は僕がひとの未来を見ることができるって言うのは本当なんだ」
仁科「……へぇ」
宝田「どうしてちょっと引くんだい? 信じてくれたんじゃなかったのか」
仁科「いや……改めて言われると、厨二くせぇなって思っちゃって」
宝田「ひどいな。まぁでも未来が見えるって言っても、そんな大袈裟なものじゃなくてね。かなり近い未来の、ほんのちょっとした悪い出来事が見えるだけなんだ」
仁科「ほーん、なんか嫌になるな、それ」
宝田「嫌になる?」
仁科「ちょっとした悪いことだろ? 俺んときも、スマホ忘れたらちょっと面倒だよーとか、階段の低いところで踏み外すかもよーとか。そんなん実際に起こってもまぁ正直別にいいじゃん。大事にならねぇし。なのに、そんなちょっとした不幸、しかも他人の不幸をなんか気になる感じであらかじめ見せられるって、そんなん嫌じゃん。変に責任感じちゃいそうだし」
宝田「……たしかに」
仁科「たしかにってなんだよ」
宝田「そんなふうに考えたことなかったなって」
仁科「マジ? どう思ってたんだよじゃあ」
宝田「……守らなきゃ?」
仁科「ヒーローかよお前は」
宝田「ヒーローではないね」
仁科「だからマジレスやめろって」
宝田「なんだろう、ヒーローではないけど、知ってるのに知らないふりをするのは、嫌で」
仁科「うーん、まぁお前が損被ってないならいいと思うけどな?」
宝田「……考えておこう」
仁科「うん。まぁお前の事情はよく知らねぇけど」
宝田「それで、仁科くん。最近物を落とすことが増えたかい?」
仁科「おぉい流れ。話の流れぇ。急に方向転換すんじゃん」
宝田「ごめん」
仁科「いいけど……。物落とすこと? あーまぁたしかに? 勉強してたらやたら机から物落としちゃうんだよな。受験生だったら気に病むとこだったわ」
宝田「それ危ないよ」
仁科「どうしてですか? 急に『危ないよ』だけ言われたら怖いんですが」
宝田「物を落とすのと同時に、人の名前を呼び間違えることも増えただろう」
仁科「……一緒にいるから知ってるのか?」
宝田「いいや、見えてた。もう起こっていることだから、これは話せる。悪いことが重なっているときは気をつけた方がいいよ」
仁科「偶然だろ」
宝田「その考えは危ない。必然は偶然のふりをしてやってくるのさ
仁科「……なんだよ、急に雲行き悪くなってきたな。必然って、なんだ」
宝田「まだ起こっていないことについてはまだ言えない。ただ、今回見えている君の未来は、どうしてかすごくぼんやりしているんだ。そしてその分だけ悪い感じが強くする」
仁科「えぇー……死ぬとか嫌なんだけど俺」
宝田「だからそばにいるって言ってるんだよ」
仁科「……何時ってのもわからないんだよな。ずっと近くにいんの?」
宝田「この悪い感じが消えるまでいるよ。君の言葉を借りるなら……それが僕の責任だ」
仁科「その考えやめたほうがいいよ……」
宝田「じゃあ、友人としてそばにいよう」
仁科「急な距離の詰め方もこわいって!」


時間ちょっとオーバーしたんだけど成功ってことにならないか(なりません)(なったらだめでしょう)。

本日はうまく行った方なんじゃないかと思います。あんまりちゃんと読み返していけないけど、そんなに変なつながりになったところはないはず……。名前の強さと台詞のかっこよさがちょうどマッチしてくれたような気がします。

そして今回気付いたのは、というか改めて強く感じたのは、圧倒的男性口調の書きやすさ。前もどっかで書いた気がするのですが、女性口調はなかなか「ぽさ」を出すのが難しくて毎度難儀します。男性の砕けた口調が好きなのもあるんでしょうけどね……。

それでは本日はこのへんで。もしこういう話を読んでみたいとか、もう少し説明してとか、いろいろお話したいこと、聞きたいことがありましたら、コメント欄に書いてくださったらうれしいです!

ここでラジドラ台本書いているのに、さらに別でいろいろラジドラ台本書いているよ。いくつかは正式に音源化する予定だから、そのときはぜひ。


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