ラジドラ台本ワンライチャレンジby花屋敷 第33作目

おはこんばんにちは! 放送班・制作班・広報班所属文学部2回生の木村英です。

夏休みが終わってしまいますね……。何度かここでも書いているんですが、去年の空虚な夏休みに比べて、今年はだいぶ充実していました。特にたくさん書いた夏休みでした。本来的には読まなくちゃいけないのに……。でもまだ書きたいものがいくつもあります。私は趣味に独り芝居と妄想というものがあるのですが、一時期妄想ができない=何も思い浮かばないというときがあったので、それよりはだいぶかなりマシというものです。


さて。今週の「ラジドラ台本ワンライチャレンジby花屋敷」のお時間です。33、ぞろ目でございますね。おちゃらけキャラな感じがします。以下テンプレ。

このコラムは”花屋敷”というペンネームを使っている私、木村英が1時間でがんばってラジドラ台本書くぜ!というものです。より詳細な説明は第1作目で無駄に長く書いているので、気になる方はそちらを確認していただけると幸いです。

またチャレンジするにあたり、縛りをつけています。

キャラデザお題ガチャ様:登場人物のうち1人をガチャで出た性格・設定にします。

②お題ガチャ様『ひとこと台詞ガチャ』:ガチャ結果で出た台詞を途中で必ず使います。

今回は①性格・設定=気弱・未来人、②「お願いだ、今ならまだ間に合うから」です。お誂え向きの台詞ですね!うまく行きそうな予感。……うまく行ってほしい願望。以下に載せる台本は1時間で制作したものです。誤字脱字誤用等あるかもしれませんが、お許しを。よ~い、スタート!


人物設定(執筆後作成)

  • 平野(ひらの):まだまだ若手の社会人。直属の上司がくそだが隣の部署の上司が美人なのでメンタルを保っている。
  • 久米(くめ):気弱な未来人になってしまったキャリア積んできた社会人。社内恋愛はダメだと思いつつ、社内にしか縁がないので、モラルと結婚願望の板挟みになっている。
  • 桂(かつら):平野の直属の上司。この人がくそでなければもしかしたらすべて平和に行っていたかもしれない。

平野「あ゙~疲れた~! あんのくそ上司……週末にあんなに仕事寄越してくんなっての……せっかくの花金だってのによ……」
久米「あ、あのぅ……」
平野「あー居酒屋寄るのもめんどくせぇな……どっかコンビニで酒買って帰るか……」
久米「あっ、あの……!」
平野「つまみも買うか……今日は何にしようかな、なんか新発売あっかな……」
久米「あのっ!」
平野「わぁっ! なんだっ、誰だよ! 急にひっぱんな!」
久米「ぴゃっ! ご、ごめんなさい……!」
平野「あっ? な、なんですか、なんか用ですか、俺、じゃなくて私……いや今は俺でいいか、俺に……もしくは人違いじゃないですか?」
久米「あ、あの、私、その、えっと、あの……っ」
平野「あ、もしかしてなんかの勧誘ですか? じゃあ俺興味ないんで、結構なんで。じゃ」
久米「ま、待って! あの、ちが、その……」
平野「は? なんですか? 帰っていいですか?」
久米「待って……!」
平野「……~っ、あーっもう! じゃあせめてもっとこっち来てください、ここじゃ迷惑になります。……くそなんでこんな面倒ごとに巻き込まれなくちゃいけないんだ……」
久米「あ、は、はい……」
平野「……さて。何の用ですか」
久米「あ、あの、その、え、あ、」
平野「……」
久米「ぅあ、あの、私、……あ、あのっ」
平野「……はー……あの、落ち着いてください。もうその、俺になんか用事があるのはわかったので。声かけたはいいものの俺が嫌ならどっか女……の、人、連れてきますから。とにかくあの、あんまりきょどるのやめてくれませんか? 俺が職質される」
久米「あ、はい……その、ごめんなさい……」
平野「もういいんで。で、お姉さん俺に何の用ですか」
久米「あ、あの、……すぅ……はー……、……よし、あの、し、信じてもらえない、と思うんですけど」
平野「はあ。もう聞きたくない感じですね」
久米「私、未来から来たんです」
平野「もっとちゃんと拒否すりゃよかったなー……」
久米「い、今って、20XX年のX月X日なんですよね? 私、3年後の今日から来たんです」
平野「お姉さん意外とお酒呑まれる方ですか? 昼から呑んでいないと未来から来たなんて世迷い言言えるようにならないでしょ、最寄り駅ぐらいまでなら仕方ないので送っていきますよ」
久米「ほ、本当なんです!」
平野「俺で良かったですね……変なことされてもおかしくないんですから」
久米「あの、ちょっと待って、あの、ね、君、……平野くん、だよ、ね……?」
平野「……俺、名乗りましたっけ。社員証……ちゃんと置いてきたよな」
久米「私、久米って言います。知って、る?」
平野「……」
久米「平野くん……?」
平野「……もしかしてドッキリとかするような会社だったんですか? うちの会社。忘年会か新年会かに向けてドッキリムービーとか作ってるんです?」
久米「ち、違うよ、うちはそんなことしないよ……」
平野「……じゃあどうしてここで隣の部署の上司の名前が出てくるんですか」
久米「話、聞いてくれる?」
平野「……聞かなきゃならんでしょこれはもう……」
久米「あ、ありがとう、平野くん」
平野「……とりあえず、話するなら、もっとちゃんとしたとこ行きましょ。俺ん家……はまずいか、一応上司だもんな、居酒屋でいいですか? ……久米さんって居酒屋行くんですか?」
久米「い、行くよ? ついていくことが多いけど……」
平野「……じゃあ、あっち、ちょっと歩きますけど個室あるとこに行きたいんで。……変なことはしないんで!」
久米「だ、大丈夫、ありがとう」

平野「なんか頼みます?」
久米「あ、じゃ、じゃあ……カシスオレンジで」
平野「食わなくていいんですか?」
久米「う、うん、大丈夫」
平野「あんま呑み慣れてないんならなんか食っといた方がいいと思いますけど」
久米「え、じゃあ、だし巻きを、お願いします」
平野「はぁい。俺ふつうにお腹空いてるんでがっつり頼みますね。すいませーん! カシスオレンジと生ビールと、あとだし巻きと餃子と唐揚げ……あ、鶏も軟骨もお願いします。あと、たこわさと焼き鳥も、はい。はい、それで」
久米「……」
平野「……」
久米「……っ、……」
平野「……急がないんなら、注文したもんが揃ってからでもいいんじゃないんですか」
久米「あっ、う、うん……。……平野くん」
平野「なんですか」
久米「……社内で、噂になってたりする?」
平野「何がですか?」
久米「……私と、桂さんの、こと」
平野「……上司と隣の上司がどうこうなってるかなんて、興味ないですよ。でもそうですね、今会社の人に見つかったらくそほど面倒だなとは思ってます」
久米「そ、そうよね……」
平野「なんすか、もしかしてそっち方面でなんかあるんすか。その……3年後? でしたっけ」
久米「……そう、なの」
平野「げぇ、なんで俺……。……お、来ましたね。はい、カシスオレンジとだし巻きだけあっちで。あとは俺んとこください」
久米「あ、ありがとう」
平野「……はい、あざーす。……行きましたね。さて、まぁとりあえず、乾杯します? しません?」
久米「え、あ、じゃあ、乾、杯」
平野「はい乾杯。そっちは何曜日だったか知らないですけど、こっちは花金だったのでいただきます」
久米「……ふふ、いい呑みっぷりだね」
平野「…………っぷはぁ! あーうまい……。……はぁ、さて、上司同士の色恋沙汰に首突っ込みたくないんで、それ以外だといいんですけど、そろそろちゃんと話してくださいよ」
久米「う、うん。……まずは、ごめんなさい、急に話しかけちゃって。でも、平野くんが一番のキーパーソンなの、だから、平野くん以外いなくて……」
平野「3年後の俺なにやってんだ……」
久米「それでね、未来から来たって言うのは……実は私もあんまりよくわかってなくて。気づいたらここにいたの。そんなに周りの風景変わってないのに、時間だけ巻き戻ってたの。証拠はこれ……私が撮った写真なんだけど、これ、後ろのカレンダー、今から3年後になってるでしょ?」
平野「……わ、マジだ。……ってか、ちょっと、この写真……」
久米「……わかる? そう、ここに映ってるのは私と……平野くん、あなたなの」
平野「……見た感じ、仲良さそうですけど」
久米「うん、仲良い……いや、仲良かった、よ」
平野「……しかも過去形なんですか。おそらく聞かない方がいいなこの話」
久米「……ちょっと恥ずかしい、んだけど、ね」
平野「もう俺の方が100倍恥ずかしいんでなんでもいいです。あ、すいません、焼酎ください、一番安いので。ロックでいいです」
久米「平野くん、よく気づく子だよね、本当に……」
平野「そんなよく知ってるふうにしみじみ言わないでください……察したくねぇー……」
久米「あのね、実は……3年後、平野くんと、お付き合いをしています」
平野「……」
久米「だけどその……私が、悪いのよ、本当に、それだけは安心してほしいの」
平野「今の段階でひとつだけ聞きたいんですけど」
久米「あっ、な、なに? なんでも聞いて」
平野「今……あなたにとって3年前、俺の上司の桂さんとお付き合いしてたんですか? 噂通り」
久米「……し、してました」
平野「横恋慕は血迷いすぎだって俺……」
久米「で、でも、私が別れるって言ったのよ、だけど、その、なかなか、うまく行かなくて……」
平野「……うまく行かなくて?」
久米「平野くんが退職に追い込まれてるの……」
平野「上司もくそだな……余裕持てよ……だからハゲるし恋人に逃げられんだ……」
久米「だ、だから! あのね、平野くん、私はね、平野くんを苦しめたくはないの!」
平野「久米さんもそんなことで未来から来ないでくださいよ……」
久米「だからお願いなの、今ならまだ間に合うから
平野「あ゙ーいやだー!」
久米「私を、好きにならないで」
平野「なんで告白する前からフラれなきゃいけないんだよーー!!」


チャレンジ成功でしょう!今回は時間内にも収まりました◎

今回の平野は結構しゃべらせて楽しい人ですね。いっぱいぼやいてほしくなります。一番書きやすい口調です。なんというか、昔の女の子がいっぱい出てくるタイプの物語の男主人公感……振り回されたくないのに気づいたら渦中にいる感じ。好きですよね。

それでは本日はこのへんで。もしこういう話を読んでみたいとか、もう少し説明してとか、いろいろお話したいこと、聞きたいことがありましたら、コメント欄に書いてくださったらうれしいです!

3学期が始まりますね。早起きにまた慣れていかなくてはいけません。


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