おはこんばんは! 放送班・制作班・広報班所属文学部2回生の木村英です。
最近なんでこんなにこのコラム続けてるんだ?と不思議に思います。というか毎週て。やりすぎなのでは?いつ落としてしまうのか見物ですねぇ……。日曜日ギリギリで投稿するのが続いてしまっていますが、とうとう間に合わなくて落ちてしまったときは、次の日の月曜日に投稿されると思いますので、その、なんですか?ご安心を、っていうのはおかしいでしょうけど、まぁやめたくなったわけではないですよ、ということはお伝えしておきたいです。
さて、今週の「ラジドラ台本ワンライチャレンジby花屋敷」のお時間です。第16作目でございます。16って特に何の数字とも思わないんですが、なんか収まりのいい数字ですよね。以下テンプレ。
このコラムは”花屋敷”というペンネームを使っている私、木村英が1時間でがんばってラジドラ台本書くぜ!というものです。より詳細な説明は第1作目で無駄に長く書いているので、気になる方はそちらを確認していただけると幸いです。
またチャレンジするにあたり、2つの外部サイトを使って縛りをつけます。
①診断メーカー様『2人の性格と関係で創作お題』:診断結果で出た性格と関係性の2人組を題材にします。
②お題ガチャ様『ひとこと台詞ガチャ』:ガチャ結果で出た台詞を途中で必ず使います。
今回は①穏やかな人と穏やかな人で主従をお題に創作。②「これじゃあ死んだ人たちが報われないよ」です。まさかのどちらも同じ人。どうやって起伏を作ればいいんだ……? 以下に載せる台本は1時間で制作したものです。誤字脱字誤用等あるかもしれませんが、お許しを。よ~い、スタート!
人物設定(執筆後作成)
- 名寄(なよろ):穏やか(?)な主。書き物をして収入を得ている。生活能力が皆無だが、これは隠岐のせいだと言い張っている。しかしこれは事実なので隠岐にこれを言うと「よかったです」と平然と返される。
- 隠岐(おき):穏やか(?)な従。十は年下の名寄の生活面をすべてサポートしている。十分な供給を受けるため、名寄を書き物しかできない人間に育て上げようと日々奮闘している。こう書くとどう見てもやべぇやつだが、彼にだってプライドがあるのである(「そんなもの捨ててしまえ」と名寄には言われている)。
隠岐「名寄様、紅茶のおかわりはいかがですか」
名寄「……ん、隠岐。紅茶……? ……あぁ、じゃあ、もらおうかな」
隠岐「ええ、どうぞ。次はあたたかいうちにお飲みくださいね」
名寄「……あ、なるほど、だからおかわりか。私いつ飲み干したっけって思ったよ」
隠岐「アイスティーがいいならそちらに変えることも可能ですが?」
名寄「いやいいよ。ちょっと手を休めることにする」
隠岐「それはよろしい。ここで『じゃあそうしてくれ』と言われたら、どうしてやろうかと思いましたよ」
名寄「ふふ、どうしてくれる?」
隠岐「このポットに残ったお湯を頭からかけましょうか」
名寄「おぉこわい。数秒前の私が適切な態度を取ってくれたことに感謝しよう」
隠岐「そうしてくださいまし。……それにしても、名寄様、このご時世にまだアナログで原稿を執筆なさっているのは、編集者の方々の顰蹙を買うのではないのですか」
名寄「いやぁ、デジタルはよう使わん……隠岐、おまえが打ち込んでくれても構わないんだよ」
隠岐「お手伝いしてさしあげたいのは山々なのですが、こちらも一応仕事というものがございまして……」
名寄「ほぅら。おまえもデジタル使いこなせないんだろう」
隠岐「使いこなす必要が無い環境で育ってしまいましたからねぇ。ですが、あなたには若者にも負けないデジタル知識を叩き込むべきだったと後悔しておりますよ。あなたの読みにくい原稿を解読して打ち込み作業をしなければならない編集の方々のことを思うと不憫でならない」
名寄「だが隠岐、この世にはそういう手書き原稿をデジタル原稿にすることで金を稼いでいるひともいるんだよ。つまり、私が安易にパソコンで書き出したりなんてしたら、そのひとたちの収入源がひとつ減ってしまうことになるのさ。そちらの方が不憫だとは思わないか?」
隠岐「名寄様は本当に、手を休めたと思ったら口がよく回りますねぇ」
名寄「紅茶もうまいし、リラックスしてるからな。まこと、この世は需要と供給のバランスで成り立っているんだよなぁ」
隠岐「社会を見渡すと、供給者が無理矢理需要を生み出しているようにも見えますがね」
名寄「ふふ、そうかもしれないな。だがおまえみたいに、供給することを求めてくるやつもいる」
隠岐「……それもそうでございますね」
名寄「な? 何事も簡単には言い切れない」
隠岐「誤魔化して曖昧にさせる方法ばかりを求めるような人間もいることですし」
名寄「お、反撃してきた。別にいいじゃないか、いつまでもそんなに頑なにならないでも」
隠岐「私は人選を誤ったのだろうと何度考えたことでしょう。なによりもいちいち茶化してくるところが最悪だ」
名寄「茶化してなんかいないよ。何度も言っているはずだよ? 私は嬉しかったって」
隠岐「それを茶化してるっていうんですよ、名寄様」
名寄「頑固者め」
隠岐「なんとでも」
名寄・隠岐「……」
名寄「っふ。こういうにらみ合いのとき、おまえのその細目はやっぱり強いな。ずるくないか?」
隠岐「名寄様のそのはりついた笑みも相当なものだと思いますよ。悪癖だと自覚なされてますか?」
名寄「私はほら、誤魔化して曖昧にするのが仕事だからな?」
隠岐「……性格自体が悪いので仕方が無いですね」
名寄「だがまぁ、私にとっては褒め言葉だよ。うまく書けている証だ」
隠岐「世界をぼかすのが目標だ……でしたか」
名寄「そう、イエスオアノー、ブラックオアホワイトで答えられる世の中に誰もがしたいと望んで、かつ誰もしたくないと望んでいる。まぁ正しく言えばどちらかに偏るんじゃなくて、はっきりさせるところははっきりさせて、答えがひとつに定まらないところはそのまま個人の判断に委ねてって、バランス良くできるのが最善なんだろうけどね。それでも、できる限り世界をぼかすのが私の目標だよ」
隠岐「……生死さえも?」
名寄「隠岐、私はおまえを救いたい。ずっとそう思っているよ」
隠岐「今私が望んでいないって言ったら?」
名寄「おまえが私からの供給はもういらないって言うなら、それは仕方が無い。私もアシスタントの彼らとともに職を失うとしよう」
隠岐「……よかったですね。まだあなたは無職になりませんよ」
名寄「助かった。まぁ当たり前だろうがね。こんな中途半端なところで終わってしまったら、そんなんじゃあ、死んだ人たちが報われないよ」
隠岐「私なんかは……まるで、隠し事をしているような気分になりますが」
名寄「しているよ。彼らの存在を覆い隠すために、いろんなことを書いてきたんだ。物語にしてしまえば、そのなかではいくらでも誇張や脚色ができる。おまえが私にすがってきたことだって、ばっちり物語に溶け込んでただろ?」
隠岐「あの書き方、未だに私は不満を持っていますよ」
名寄「そう言うなよ。私から見たらかわいかったのさ。かわいくて、かわいそうだったんだ。こんな十も年下のやつに頭下げる隠岐のことが」
隠岐「まだこのポットの中は温かいですけど」
名寄「おっと。……さ、紅茶もあたたかいうちに楽しめたし、手のだるさもなくなってきたし、再開しようかな」
隠岐「……はい。何をそばに置いておきましょうか。そろそろ小腹が空いてくるタイミングですか? お飲み物は、レモンスカッシュならすぐに作ることができますが、お持ちしましょうか?」
名寄「レモンスカッシュ! いいな、レモンでももらったのか?」
隠岐「どなたかからいただけたらそれも良いことですが、購入してきたのですよ。最近の急な暑さに名寄様は負けていらっしゃるようですので、なにか爽やかな料理をと思いまして」
名寄「それはありがたい。もっと緩やかに気温があがってくれてもいいと思うんだがな、どうしてこんなに突然夏になろうとしてしまうんだろうな、世界……」
隠岐「何か食べられるものはお持ちしなくてよろしいのですか?」
名寄「ん~じゃあ、スコーンが食べたいな。レモンスカッシュがあるなら冷たいのはそれで事足りるだろうし。紙ナプキンに包んでくれるとありがたい」
隠岐「承知しております。……それでは、引き続き、執筆、がんばってくださいね」
名寄「ありがとう。がんばるよ」
チャレンジ成功、かな……?私は盛大に「穏やかな人」の意味をはき違えているような気がします。
終始意味の分からない会話をさせてしまっているので、世に出すものとしては失敗であるような気がします。雰囲気好きはだからよくない。あと設定のとこ、なぞに長文ですが全然気にしなくていいです。無視してくれていいです。
穏やかな人っていうのはもっとこう、縁側が似合うような、たいていはにこにこしているような、優しい口調のひと……みたいな感じを指すと思うのですが、どうしてそうならなかったのかと言われると……、私が引いた台詞が問題じゃないかな~と思います(責任をなするな)。
それと私の変な名前好きがとうとう出てきてしまいました。あんまり変な名前にしないようにしようとこれでもがんばっているんですけども……。最近西尾維新作の本を読み返しちゃったからさ……楽しいお名前つけたくなってきちゃうよ……。
それでは本日はこのへんで。もしこういう話を読んでみたいとか、もう少し説明してとか、いろいろお話したいこと、聞きたいことがありましたら、コメント欄に書いてくださったらうれしいです!
関係性指定って難しいなって思っています。でも何を縛ってもたぶん難しいって言うと思うのでなんとかやっていくよ。
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