おはこんばんは。放送班・制作班・広報班所属文学部1回生の木村英です。
先週、「ダメだったら隔週日曜日に」とかめちゃ弱気な発言をしていたのですが、だからといって隔週でしていいわけないだろと自分でツッコミを入れてなんとかこの記事を書いています。書くのが嫌なわけではないのです。ただ時間の使い方が下手なせいで、しなくてはならないことがいっぱいあるんですよね。反省してます。毎週投稿できるよう頑張っていきます。ただ、読んでくれている部員へ。未完の台本が完成することはないでしょう。ですが覚えていてほしい。私もいつか読めたらいいなと思っているのです。
さて、改めまして「ラジドラ台本ワンライチャレンジby花屋敷」第2作目でございます。このコラムは”花屋敷”というペンネームを使っている私、木村英が1時間でがんばってラジドラ台本書くぜ!というものです。より詳細な説明は第1作目で無駄に長く書いているので、気になる方はそちらを確認していただけると幸いです。
ポイントは、チャレンジですので1時間でラジドラ台本を書き上げられなかったらチャレンジ失敗ということにはなりますが、チャレンジすることに意味があるのだということです。多くは語りませんが強調だけはしておきます。
またチャレンジするにあたり、2つの外部サイトを使って台詞の縛りをつけています。
①診断メーカー様『こんなお話いかがですか』:診断結果で出た始めと終わりの一文を必ず使います。
②お題ガチャ様『ひとこと台詞ガチャ』:ガチャ結果で出た台詞を途中で必ず使います。
今回は①「溶けたアイスが手首を伝う」で始まり「また会えますようにと願うほかないのだ」で終わる。②「外を出歩くくらい許してよ」でした。それではさっそく書いていきましょう。以下に載せる台本は1時間で制作したものです。誤字脱字誤用等あるかもしれませんが、お許しを。よ~い、スタート!
人物設定(台本執筆後に作成)
- 明貴(あき):青年。なぜか氷和ちゃんを部屋から出したくない。
- 氷和(ひより):少女。明貴くんは反対してくるけど外に出たい。
- 香奈(かな):とある小学校の体育教師の女性。物腰柔らかで体力があり生徒思いでものすごく優しくて生徒から好かれているが、「もうちょっとだけ頑張ってみよっか」と笑顔でよく言う(どうでもいい情報)(なお名前も出てこない)。
明貴モノローグ「溶けたアイスが手首を伝う。冷たいと感じたが、すぐに拭う気になれなかった。うだるような暑さに、強すぎる日光。吹く風はあまりにもささやかで、汗が噴き出してやまない。それでも、僕は動く気になれなかった」
(とある室内)
氷和「外を出歩くくらい許してよ」
明貴「ダメに決まってるだろ。今日は猛暑日だぞ」
氷和「いい天気だもんね」
明貴「いい天気すぎるんだ。外に出たらすぐに死ぬぞ」
氷和「死なないわよ。ねぇ、すこしくらいならいいじゃない。もうずいぶんとセミの声を聞いてないわ」
明貴「聞かなくていい」
氷和「なんでよぅ! 私も夏を楽しみたいのに……」
明貴「ダメだ。ほらはやく寝て、いくらこの部屋が涼しいって言ったって、今日は暑いんだから」
氷和「このくらい大丈夫よ。……あ、いや、怒りで体が熱くなってきたかも」
明貴「なんの怒り?」
氷和「外に行かせてくれない怒り」
明貴「水風呂に入れてあげる」
氷和「それでも怒りは鎮まらないわ! ぷんぷんだわ!」
明貴「じゃあアイス買ってきてあげる」
氷和「アイス!? じゃあ一緒に買いに行きましょう?」
明貴「ダメ。溶ける」
氷和「大丈夫大丈夫! コンビニはすぐそこじゃない」
明貴「氷和。……良い子だから、聞き分けて」
氷和「! ……でも、いいじゃない、すこしくらい、私だって、……」
明貴「……。なんのアイスがいい? 高いのでもいいよ」
氷和「……安くていいの。……あなたと一緒に楽しみたいだけなのに」
明貴「……セミは相変わらずうるさいよ。君が聞いたことのあるそのままだ」
氷和「明貴くん?」
明貴「外はものすごく明るい。空を見上げなくたってまぶしいんだ。道路には陽炎が立っていて、道行く人はみんなだるそうに歩いてるのに、地面により近いはずの小学生くらいはとてもはしゃいでる」
氷和「……。それが夏だもの」
明貴「氷和。僕は君がいてくれたらそれでいいんだよ」
氷和「っ……。……いつも、言ってくれるね」
明貴「逆に言うと、君がいないと僕はもう生きてる意味なんてないんだよ。……わかってくれ」
氷和「でもっ、でも……。私だってあなたを悲しませたいわけじゃないの。ただ、あなたと生きていきたいだけなの……」
明貴「うん。だから、ここにいよう」
氷和「……うん……」
明貴「ん。じゃあ適当に買ってくるね、待ってて」
氷和「うん……、いってらっしゃい」
(明貴コンビニの帰り道)
香奈「ねぇお兄さん」
明貴「……、え、あ、僕ですか」
香奈「そう君ですよ。こんにちは。このあたりに神社があると聞いたんですが、あなた、知らない?」
明貴「神社……『氷の神様』がいる?」
香奈「そうそう! 知っているの?」
明貴「……どなたか、ご家族の方が病気とかですか」
香奈「そういうわけじゃないんですけどね。私、小学校の教師なんですけど、もうすぐ運動会があるの。ほら、今年まだ5月だってのにもう猛暑日が続いてるでしょ? 子どもたちが熱中症になったりしないか心配で。気休めかもしれないけど、お祈りしておきたいの」
明貴「……そうですか。でも、多分、残念ですけど、あんまり意味ないと思いますよ」
香奈「あら、あなた神様信じないタイプなのね? いいの、なにかしらしたいだけだから」
明貴「でも、……っ、あの、結構長い階段の上にあるので、神社、あの、今日も暑いですし、あなたが危ないかも」
香奈「優しいわね、ありがとう。でもこう見えて体育教師ですから。自分の健康管理ぐらいできます」
明貴「あ、でも、」
氷和「氷の神様の神社ならこっちですよ!」
明貴「っ!? 氷和!」
香奈「わっ、びっくりした!」
氷和「ふふふ、ごめんなさい! 氷の神様の神社をお探しなんですよね、あの階段を上りきる自信があるのならぜひ挑戦してみてください! その代わり、あなたのお願いは絶対に叶いますよ!」
香奈「そうなの? お兄さんと知り合いのようだけど、あなたはお兄さんとちがって神様を信じるタイプなのね」
氷和「そうなんです、だって私いっぱい助けられてきたので」
香奈「氷の神様に?」
氷和「そうですそうです。この日だけは涼しくして~! ってお願いしたらだいたいちょっと気温が下がってるんです」
香奈「ふふ、偶然でも嬉しいわね。運動会の日もそうだったらいいのになぁ」
氷和「じゃあお願いしにいきましょ!」
香奈「そうね、案内してくれる? 階段上るの頑張るわ」
氷和「はい! 明貴くんも行くよ!」
明貴「……氷和、アイス溶けるよ」
氷和「あとで食べるわ! ほら、明貴くん、ちゃんとこっち来て。セミの声が大きくてあなたの声が聞こえないわ」
明貴「氷和、帰ろう、今からでも遅くないから」
氷和「明貴くん」
明貴「……僕は悪くないだろ……」
氷和「うん。だから行こう。神社でアイス食べよ」
香奈「あ、そのレジ袋の中アイスだったの? ごめんなさいね、本当に大丈夫?」
氷和「大丈夫です! あ、むしろアイス食べます?」
香奈「さすがにいいわよ。ありがとう」
氷和「じゃあ行きますか! こっちですよ!」
(神社)
氷和「はい、ラスト! 到着で~す!」
香奈「はぁ、はぁ、は、……はぁ、すごく、長いのね……、はぁ」
氷和「お疲れ様です。体育の先生って、本当にすごいですね。ここあまりにも長いからほとんどの人が脱落しちゃうんです。しかもここに来る人、だいたい夏に来ちゃうから、しんどくて」
香奈「これは、はぁ、ちょっとクラって来ちゃうわね……」
氷和「でも着きましたよ、お参りするところはあそこですよ。休めるところもあるので、涼んでからお帰りくださいね。じゃあ私は、ついでに用事があるので先に行きます!」
香奈「親切にありがとう。お兄さんもありがとうね」
明貴「いや……」
香奈「妹さん、とっても元気なのね」
明貴「っ、妹じゃない! です……」
香奈「あらそうなの? ごめんなさい」
明貴「……彼女です」
香奈「え?」
明貴「彼女です、僕の」
香奈「あ……、そうなの、えっと、ごめんなさいね。その、ずいぶん幼い見た目なのね」
明貴「……いいんです。お参り、してきてください。そのためにここまで上ってきたんですから」
香奈「え、えぇ、そうさせてもらいますね」
明貴「……叶いますよ」
香奈「はい?」
明貴「ここの、氷の神様。すごい優しいひとだから、絶対に叶いますよ。あなたの願い」
香奈「そう、なの……」
明貴「じゃあ、僕も先に行くので。休憩所は今通ってきたあの鳥居の横の、ちょっと奥にありますから」
香奈「ありがとう。……彼女さんにも改めて伝えておいてくださる?」
明貴「ええ。もちろん」
(神社の奥)
氷和「……明貴くん、怒ってる?」
明貴「怒ってる。死のうかなって思ってる」
氷和「絶対ダメ!」
明貴「じゃあなんで! なんで、出てきちゃうんだ……」
氷和「……全部、私のわがままだから」
明貴「じゃあ僕のわがままも聞いてよ……」
氷和「うん、……ごめんね、明貴くん」
明貴「また僕ばっかりさみしい思いをさせるんだ……」
氷和「うん……ごめんね……」
明貴「……僕は君が好きなんだよ、わかってる?」
氷和「私も好きだよ、明貴くん。でもね、でも、それと同じくらい叶えてあげたいの」
明貴「……氷和」
氷和「みんなものすごくささやかなお願いをしていくの、こんなに頑張って階段上って、ほんの少しだけのお願いをしていくの。でもね、それを叶えてあげたら、苦しむ人が少なくなるの」
明貴「君は優しすぎる、僕には意地悪なのに」
氷和「うん、ごめんね、また会いに来るから」
明貴「君が命を懸けてみんなを助けなくたっていいだろ……」
氷和「力を使ったらちょっと眠たくなるだけだから。また起きてくるから……」
明貴「暑さに弱いんだから、無理だけはやめてくれ……」
氷和「うん。……ほら明貴くん、アイス溶けちゃう」
明貴「……うん」
氷和「何買ってきてくれたの?」
明貴「カップアイス」
氷和「一番高いやつじゃん! 安くていいって言ったのに」
明貴「喜ばせたいんだよ」
氷和「ふふ、うれし。いただきまーす!」
明貴「うん」
明貴モノローグ「僕も自分のアイスバーを取り出して、一口かじった。そのとき拝殿のほうで拍手が聞こえた。あの小学校の体育教師がお参りをしているんだろう。僕の隣でアイスカップが落ちた。中身がまだ残っていた」
明貴「もったいない……」
明貴モノローグ「かくいう自分の手首にアイスが溶けて流れてきたけど、気にしていられなかった。セミの声がうるさい」
明貴モノローグ「僕の彼女の氷の神様は、僕より他人を優先して、自分の体で世界を冷やして、眠りについてしまうのだ」
明貴モノローグ「それでも、僕には止めることができなかった。許すこともできず、止めることもできず、ここで、一人また待つことしかできない。神様なんてものを好きになってしまった僕は、」
明貴「また会えますようにと願うほかないのだ」
完成しました!!!第2作目にしてチャレンジ成功でございます。手直しする必要はありますけど、一応(なんやかんやあって)って書かずに終わりまで行くことができました。
ただどうしても少し不思議感が残っていると思うので、少し補足、というか説明をさせてください……聞いて……私がしたかったのはね……「氷の神様」である少女と人間の青年が出会って恋に落ちて、付き合ってるんですけど、少女はあくまで神様なので、参拝してきた人を優先せざるを得ないわけです。氷の神様は、冷やすというよりは冷えるという属性なんですよね……いやその……ごめんなさいこんな話して……。最初部屋にいさせたかったのは氷の神様は暑さに弱いので、さすがにすぐ溶けることはないのですが、徐々に消耗してしまうので、彼氏としては涼しいところにいてほしいという気持ちからです。そして最後はその、神様として能力を使うため人体じゃなくなったからで、最後彼氏くんはひとり残されてしまったというわけ、です、ね……その、ごめんなさい……。
チャレンジは成功したのでいいんです!
それでは本日はこのへんで。もしこういう話を読んでみたいとか、もう少し説明してとか、いろいろお話したいこと、聞きたいことがありましたら、コメント欄に書いてくださったらうれしいです!
では、また来週に。
バックナンバーはこちら → 第1作目
NEXT → 第3作目